県道377号八溝山線・111号高萩塙線
2015年 12月 07日
1.コース
那須塩原-黒羽-県道321号-県道377号-棚倉-塙-県道111号-高萩 123.1キロ
ルートラボ
https://ridewithgps.com/routes/30473801
2.実施日
2015年12月06日(日)晴れ後くもり
3.実施者
単独
4.日記
北上するに連れ、行く手左側の車窓に、雪をかぶった日光の山々が近づいてくる。一方、右手のだだっ広い平野の先に見える特徴的な山容は筑波山であろうか。那須塩原の疎らな乗客に交じって、ホームを降りる。東口広場では乗客いない路線バスの運転手はどこか所在なさげだ。組み立て、公衆便所で水を汲み、国道に出たところにあるコンビニエンスで朝食と行動食を買って、8時15分今日のサイクリングをスタートした。
黒羽までの道、那須岳の裾野の沃野、圃場、田畑のなかを快調に進む。やがて、小学校横を少し下って、街に入った。商店の感じや、高台にある学校を見ながら、那珂川鉄橋を渡る。幅広の橋を渡りながら遠く川上を望んで、広い風景に旅情を感じる。城址公園手前の交差点を右折して進む。川沿いの広い道がだんだん狭くなるのを詰めてやや急な坂になるとすぐ唐松峠に着く。止まらず下った先、見晴しが広くなったので急ブレーキで自転車を停め視界に入る広い集落を撮った。雲巌寺着時9時32分。門前に自転車を停め、山門を潜り、参詣した。
ここから先しばらく集落の間の道を静かに進んだ。バス停の看板を見ると「雲巌寺宿場町」とあるが、いまはそれらしい宿坊はないようだ。村の中の道をのんびり進むトラクターを追い抜き、道沿いの集落や民家の様子を見ながらゆっくり進んだ。阿寺あたりの犬屋敷は変わらず・目つきの悪い犬どもの吠え声に鳥肌が立つことも前と変わらず。その先、だんだんと道幅は狭くなり、大子への道を分けて進むと杉木立のなか幾分と勾配がきつくなった。それでも、つづら折りで上がる分、降りて押すほどでもないのでゆるゆる進めた。何度かカーブを曲がるとすぐに高くなって尾根筋の道を行くようになる。途中林道らしくも、皆伐採された山肌が異様な雰囲気だ。さて、今回は八溝山には行かず県道377号線(旧久慈川林道)に入る。最初坂をどんどん下るとやがて久慈川の川筋に沿って進むようになった。舗装が切れて地道に変わるがさして荒れてなく、とうに紅葉を過ぎて今は枯れ木の間だが、それでも初冬の立木と山の雰囲気が良くて、写真撮影のためたびたび自転車を停めながら進んだ。下ってゲートを通り、大岩平の明るい集落に入って人心地がつき少しほっとする。一番近くの民家の軒先で女の子が縄跳びしている横を通り過ぎ、黒磯からの道に合流した。進んで、棚倉の交差点にあるチェーンの牛丼店で昼食を食べた(さっさと済ましたいのと、寒くて早く温い室内に早く入りたくて、月並みな食事になった)。
棚倉駅の中を覗く。先客のおばさんが駅員に油を売ってあとから並んだ学生が困っている。水郡線に沿って下る。国道に合流せず久慈川沿いの干拓地のなかの道を走る。塙町の通りに、子どもの頃遊んだような古い玩具店があった。「カワムラサイクル」の看板がある自転車店もある。谷川温泉への看板を通り過ぎ、えっちらおっちら上がった坂の途中にある湯岐温泉から先、ほとんど車の来ない国道に一時合流したがすぐに別れて山中の道に入る。この路は初めて通る県道高萩塙111号線、阿武隈高地の山間部にぽつんぽつんと在る集落をつなぐ1~1.5車線の路、絶景もなければ古道の趣もないが、カーブを曲がった先に次々見えてくる民家の佇まい・たいそう古びたバス停・分教場跡・圃場や伐採地・牧場・貯木地など、早くも鈍色の寒い冬空の寂しい雰囲気を感じつつ変化する景色を見ながら自転車を進めるのはなかなかに楽しい。ここ辺りの家は番犬のいる家が多く、傍を通って吠えられることが多い。民家の前の畑で、小さい子どもふたりが子犬を連れて遊んでいた。落葉松峠を過ぎてから漸く下り坂かと思ったが、まだしばらくアップダウンが続くも、上がりきったところのカーブの先から杉木立のなか渓流沿いをどんどん下りはじめた。やがて木々の間から抜けて下君田の集落に入る。いつものことだが、人気の少ない長い山道を進んだあと人家に行き当って少しほっとした。夕餉の支度のためか、民家の煙突から煙が上がっていた。
そこから、道幅も広くなりもう海へ向かって下り一方だと思った期待は裏切られ、一度か二度ほど上がり返しがあった。それでも最後は高萩の町中へ向けてダウンヒルを楽しんで、高萩駅到着は15時40分。16時15分過ぎの当駅始発全席指定特急列車の切符を押さえて帰路についたのであった。
今日は往復とも贅沢して特急列車を利用して遠い処に出かけてきたが、「今まで行ったことのない知らない道」を自転車で通ることの楽しさを再認識した一日であった。また、走ったところが阿武隈高地なのか知らないが、高い峠や絶景がないが、鄙びた山里の集落をめぐる旅を楽しむことができ、有意義な一日を過ごすことができた。
高萩への道は確かに古道でもなければ華やかでもない、一言では言い難い、地味だけど滋味がある道という感じですよね。私も好きですが、おっしゃる通り特急券を買わないと遠いので、コースレイアウトはいつも考えちゃいますね。
交通費掛けて日帰りするか、1泊して普通列車利用するか悩ましい場所ですね(苦笑)。
としさんの記録も参照してコース組みました。久慈川林道はまだすべて舗装されてはいませんが、地道でも荒れていないので太目のWOタイヤであれば支障なく通行できると思いました。でも今後は降雪のことがありますので行かれる方は道路状況を問い合わせされることをすすめしたいです。
味わいのある阿武隈の路、私にとってフロンティアなのでもっと訪れたいと思いますが、アプロ―チが遠いので毎回財布と相談次第になりそうです。
関西出身の私にとって、なじみのないところですが、派手さはなくても静かな山里の雰囲気がとてもよい感じでした。県道の途中にあった分校跡の案内に、標高700メートルとあり、「阿武隈高地」の言葉どおり、いつのまにか高い台地をたどっているのだなあと感じました。
このエリア水戸からさらに北になるので、横浜界隈からのアプローチだとおっしゃるように交通費がばかにならないのが悩ましです。
それほど俗化されていない地域、歩くより早く、しかし車では気がつくことができないスピードで進んで、訪れたところの雰囲気を感じることが、サイクリストの楽しみのひとつですよね。
今回初めて訪れた阿武隈ですが、振り返ってみて、近畿の丹後地方内陸のエリアが似たような感じなのかなと思い出しました。