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秩父から甲府まで

1.コース

横瀬-矢久峠-上野村-ぶどう峠-北相木-南相木-三川-馬越峠-川上-信州峠-増保-明野-韮崎-甲府 161キロ

(ルート)https://ridewithgps.com/routes/30473446

2.実施日

2017年6月24日(土)晴れときどき曇り

3.実施者:単独

4.日記

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 八高線は、列車交換のため、東飯能駅に時刻表より数分早い時間に到着する。なので、西武線乗換はダイヤよりも時間があり、余裕を持って用を済ますことができた。ホームにいたおじいさんが持参したラジオからラジオ体操が流れてくる。秩父線は中高年のハイカーが多く、明日は雨予報、貴重な週末の梅雨の合間の晴天をみんな楽しもうとしている。横瀬下車。いつものように燕の声を聞きながら組み立てていると、横に山ガールが来て、靴紐を直している。

 7時45分スタート。秩父の街中を抜け、小さな峠を越えて小鹿野に入る。手前のコンビニエンスに停まって、行動食を買い、駅弁で足りなかったカロリーを補給した。今日は先が長いので小鹿野の街中を通らず国道を進む。毘沙門水の案内の看板に従って落葉松トンネルへの坂を上がる。ダムにかかる橋を渡りしばらく進むと藤倉の集落。車でつけて、朝早くから水取りに励む人を横目で見ながら川沿いを進む。秩父からこの峠に上がるのは久しぶりだ。万屋がある。倉尾を過ぎ、鰍蛙の啼く渓流に沿ってゆっくり坂を上がっていくが、もう人家が尽きたのではないかと思ってカーブを曲がったその先にまだ家があり、結構奥まで人里が続くのがこの道の特長であることを思い出す。崖の上までつけられた山上集落の写真を撮っていると、下から朝いちばんのバスがやってきた。

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 最後の民家を抜け、左程きつくない坂を蛇行しながら進んでいくと、上の方から人のにぎやかな声が聞こえてきた。こんな山奥で中学生が集団登山でもしているのかしらと思って進むと、上の畑に停められたラジオが大音量を出していたのであった(屹度、熊除けのためであろう)。その先も緑に囲まれた林道をゆったり進んでやがて西秩父林道に合流、そこからすぐ先にある矢久峠(到着10時25分)に停めて休んでおにぎりひとつ食べるうち、崖の上に祠があることに初めて気が付いた。二子山から下りてきたロードふたりに挨拶してから、神流に向けて下る。道はドライだが、随所に苔がついているのでスリップしないよう注意が必要だ。

 村の美容院の横を通って国道に合流。神流川には編み笠をかぶった釣り師がいた。山の上に見える叶山鉱山のすさまじい景観を心にとどめ、志賀坂峠からの道を合わせ、上野村に入る。道の駅で何か買って食べようかと思ったが、適当なものがなく、ペットボトルのジュースを買って暑さに乾いた喉を潤した。10分ほど休んで再開、村を縦断するバイパスを当然のように通らず、乙母・乙父といった趣のある名前の集落沿いのむかしの道をたどった。古い床屋さんがある。その先に子供がふたりいて水遊びしている。国道に合流する手前で12時となり、時間が押しているのが気になる。

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 国道からぶどう峠まで1時間30分ほどで着くことができると踏んでいたが、思ったよりも時間を要し峠着13時50分。シオジの林もある緑の濃い山道の坂はおおむね急ではないが、長く、2度ほど葛折りを繰り返してもまだ奥へ奥へとつながっている。序盤は道沿いの渓流から冷たい空気が流れてきて気持ちがよいが、谷を離れると、山深くなり、展望のきくところから遠く御荷鉾に連なる山並みまで見渡した。行く手だいぶ上の方に鉄塔を認めあそこまで上がらないといけないのかと思うたがもとよりそんなことわかって考えたコース、序盤はミドル・ロー、終盤はロー・ローに変えて蝸牛のように進んだ。もうだいぶ高くなったと思ったのに道は右往左往して峠に近づかないところこの峠らしく、ようやくカーブを曲がって先の山を乗り越えたところが峠かと騙されることを知っているが、曲がってまだ上の方に道があるのを認めて堪らず足をつく。けれども実際は見た目ほどの距離もなく、御巣鷹の尾根を望むところに建てられた祠に手を合わせて到着。しかし、峠に停めた車から降りたおっさんが峠の信州の谷を望む場所で立小便の真最中なので、休みたいのを我慢してすぐに下り始めた。

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 武州側がうっそうと山深いのに対し、信州側は明るいカラマツ地帯になっているところが、群馬・埼玉と信州をつなぐ峠の特長である。標高が高いので、少し寒さを感じながら何度かカーブを曲がり、加和志湖のそばにある公衆便所で止まって休憩、トイレを借り、座っておにぎりを食べ、さっきおっさんの所為でふいになった人心地をようやくつけることができた。看板を見ると栂峠への案内が出てある。そこから車が降りてきたので、上まで行けるのかな、など考えてから再スタート。途中、藁葺屋根や石詰みの屋根のある信州らしい民家がある集落のなかの路を通りたいと思ったが、これまで時間がかかり過ぎなのでバイパスを一気に下る。北相木の街中に入り、いつものように振り返って印象的な姿の御座山を見た。

 左折して、大鰐林道をアップダウンしてから、馬越峠への道に合流する。標識は11%を示しているが、ロー・ローに落としてゆっくり上がり、おみかの滝の横を通って南相木の街中に入る。入口のヤマザキデーリーストアで食べ物を補給することが恒例、とても愛想のない店員に菓子パンと飲み物のお金を払ってベンチに座って食べていると、どこからか和楽器の笙の音が聞こえてきた。向こうに親子連れの姿もみえるが宿泊客か地元の方であろうか。

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 さて一服してから、再開。といってもすぐに急坂になりペースは一向に上がらない。泊まったこともある立岩湖の宿泊施設の横を過ぎ、その上の温泉施設を過ぎてまだまだ上がりが続く。馬越峠へはここを右折して上がるのが通常だが、こちらは直登・勾配が急で草臥れることを知っているので、幾分坂が緩めの三川の方に向かう。行きついた先、寂しげな民家におばあさんひとり、こちらの気配に気が付いてはっと振り返った。折り返し、山の中に入り暗い林のなかの道を進む。入口の畑でも、熊除けの大音量ラジオを流して仕事されている。このあたりは植林が多いせいか、はじめ鳥の鳴き声も聞こえず、雰囲気が暗く熊が怖くてベルを鳴らしながら上がった。途中の斜面に動物の気配がしたので見ると、日本鹿がいて逃げようとしたが、前足が罠につかまって動くことができず、その場で口から泡を吹いて暴れている。すぐに離れてしばらく進み、再び元の道に合流。長い山上がりなので足を休めたいが時間が押しているので、押し歩きで時間を稼ぐ。そこから馬越峠までもうすぐ。峠が近い分、切通しに向けた長い勾配が疲れるが、ようやく到着(16時30分)。川上のレタス畑の写真を撮っていると、バンで上がってきた太ったおじさんに「ぶどう峠はどういくのですか」と聞かれたので答える。向こう側に停めた車から降りて「ちゃりんこでここまで上がってきたのか、すげーな」と奥さんと会話しだした(「ちゃりんこ」と言われるのは、嫌い)ので、この峠も長居せず、キャベツ畑の間の道をさっさと下った。

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 ナナーズの自販機で水を買ってボトルに詰める。西日を受けた八ヶ岳が輝いているのを認めてから、4度目の山上がり信州峠への道に就いた。向こうの山まで、一直線に上がっているのが見た目に堪えるものの、この坂をなんとか上がりきってしまうと何度かのカーブを経てすぐに峠に到着する(17時38分)。ここも趣がないのですぐに下り始めると、途中の森が伐採され前に見た感じと雰囲気が変わっていた。瑞牆山からの道を合わせ、ブレーキをチェックして増保に向けて一気に下った。途中の明野の高台から見える暮れなずみつつある編笠山と鳳凰山と、その間に挟まれた集落の佇まいを楽しんでから、明野の街を通りすぎ、最後高速を潜って国道に合流。トイレを借りたくてコンビニを探しながら進んだが、韮崎の街中でも見当たらず、双葉まで我慢して進んだ。日の暮れた甲府市内を少し道迷いしつつ、甲府駅北口到着は19時40分、随分と遅くなってしまった。パッキングを済まし、ダイヤを見ると20時03分のかいじ号があり立つのが嫌であわてて指定席を求めたが、甲府始発で自由席でもたいてい座ることができることを忘れていた。車内で食べる駅弁も買う余裕もなく、八王子駅で駅そばを食べ、横浜線に乗換えて帰途についた。

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 今日のコースは、例年、下仁田から進むことが多いが、今回は秩父発とした。30キロほど距離が余計にかかるが、出発時間は1時間ほど早まるから吸収できるだろうと踏んだが遅くなった。塩之沢から降りるとすぐにぶどう峠への道につくことができるが、今日は、矢久峠からぶどう峠までの道のりに時間を要したようだ。だが、これくらいの距離を走ると、終わってから、心地よい疲労感とともに、「よく走ったなー」との充実感を味わうことができるのである。


Commented by とし at 2017-06-25 16:59 x
写真の今井屋さんは栂峠山サイのときに宿泊しました。
静かなたたずまいですが、83年夏は報道の前線基地になり修羅場だったそうです。
それにしてもいくつもの峠をよく走り抜きましたね。膝ももうOKのようですね。
Commented by paparouh at 2017-06-25 18:56
> としさん
としさんの栂峠のブログも見ましたが、完全に山サイの領域ですね。重たいランドナーを担いで上る気は起こりそうもありません。上野村では、すりばち荘の看板が「自転車の宿」と書いてあったようですが、むしろ今井屋さんのような古い宿屋で沈没(?)することのほうが趣があるように思われます。今回はコースを欲張りましたが、幸いなことに膝は痛くなりませんでした。
Commented by ぶとぼそ at 2017-06-26 19:01 x
ぶどう峠は、何度も峠騙しに合いますよね(笑)。
この時期でもまだ木々の緑が新緑に近い色なのが良いですね。
中央線の特急っていつでも混んでいるイメージです。かいじは甲府発ですけど油断はできません。
Commented by paparouh at 2017-06-27 06:51
> ぶとぼそさん
ぶどう峠は何度も通っていますので、まだ先だとわかっているのに、もしかして次が峠かなと期待して騙されてしまいます。20時過ぎ出発間際のかいじ号は自由席は比較的空いていましたが、大月から富士山帰りの外人さんたちが乗って、だいぶ席が埋まりました。
Commented by INTER8 at 2017-06-28 12:38 x
ぶどう峠の上り、高校生の時にぶとぼそ氏らと上った時に感じたのも同じようでした。何度も偽峠に騙されて疲れ果てました。
先日のカーサイで下った時にはとても長い下りだったので、僕はたぶんここを上ることはもう無いと思います (^^;
甲府着がだいぶ遅くなってしまいましたね。でもそうして夕刻から日没まで楽しめるのが自転車のいいところでもあります。登山だとこういう計画はできませんから。
Commented by paparouh at 2017-06-28 20:48
> INTER8さん
上野村からのぶどう峠は、距離は比較的長いと思いますが、十石峠と比べると、傾斜は緩めなので、焦らずゆっくり上がれば、それほど難しいところではないと思います。なので、年でもないのに、「もうここを上がることはない」と寂しいことはいわず、新しい自転車ができたらいっしょに上がりましょう!
自転車のすばらしいところは、おっしゃるように飽きのこないところですね、都会でも田舎でも、次々変わる景色を適度なスピードで進むと、同じ道でもまた新しい発見があったりします。
by paparouh | 2017-06-25 10:32 | 埼玉県秩父地方 | Comments(6)

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