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菩提峠・秦野峠・犬越路

1.コース

自宅-橋本-宮ケ瀬-菩提峠-戸川-寄-秦野峠-中川温泉-犬越路-青野原-青野-橋本-自宅 170キロ

(ルート)https://ridewithgps.com/routes/30482515

2.実施日:2017年11月6日(日)晴れ

3.実施者:単独

4.日記

 だんだん寒くなるにつれて早起きが難儀になるが、なんとか4時起床・5時前に自宅を出発した。今日は春秋向の薄手の山用下シャツの上にモンベルの自転車用の薄いジャケットの二枚重ね、漕ぎだすと冷えて指先もかじかんでどうしようかと思ったが、ペダルを回し続けるとようやく体が温まった。西の暗い空にまんまるのお月さまが、白く浮かんでいる。今日はいつもの牛丼屋さんに寄らず、桜美林にあるコンビニで朝食を買った。イートインの椅子は片づけられていたが、店員の方が気を遣ってくださり、椅子をひとつ出してくれたのを嬉しく感じる。橋本の手前くらいで明るくなった。長竹のところでひとやま越えて鳥屋を過ぎ、宮ケ瀬湖に向かう。ここ数週間、週末は雨で出かけることができなかった。久しぶりのサイクリングだ。

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 いつものように宮ケ瀬湖の園地でトイレ休憩。ヘルメット着用のまま用を足している姿を見て、大用の室から出てきたサイクリストらしい若者が「こんにちは」と挨拶をしてくださる。GPSをセットして出発。道端にある温度計は5℃とある。湖は、前回訪れたときはだいぶ干上がっていたが、以降2度ほど台風がきたせいか湖水は満水。キャンプ場の横を過ぎ、横に流れる渓流の音を絶えず聞きながら進む。植林の杉林に混じって、ところどころ雑木林の木々が黄色く紅葉して、奥多摩のようなあでやかさはないが、それでも空の青さとのコントラストが美しく、昨夜の雨に洗われた空気も澄んで清々しい。上から降りてくるサイクリストとときどきすれ違いつつ細道を右に左に曲がりながら徐々に高度を上げていく。国民宿舎の分岐を過ぎると、改良されて道幅が広く傾斜を増すが、山肌を巻きながら上がるので足に堪えるほどではない。山仕事の事務所の前を過ぎ、青山荘を過ぎて初めてきつい傾斜になるが、ギヤを落としてゆっくり上がる分には左程でもなく、しかし、下から見た目高校生くらいの女性のロードにも抜かれ、車で横付けしてたくさんのペットボトルへ水汲みしている人たちを横目に見ながら、上がった。その先、初めて行く菩提峠へは、道なりに進まず脇の林道を直進する。これまでで一番の急斜面、親子連れのハイカーの横を、邪魔しないようゆっくり進むとやがて緩みすぐに菩提峠の駐車場に到着した。振り返るとピラミッド型の紅葉した大山が正面に見えてきれいだ。自転車を停めておにぎりひとつ食べ写真を撮っていると、向こうから一台自転車が上がってきた。挨拶を交わして、グラベルロードというのはこれのことかな?とじろじろ見ていると、駐車場の地道に不安になったのか「この先舗装していますか」と聞かれたので答えた。

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 ひと心地つけてから、たいへん急な下り坂を、表丹沢林道の方へ進む。合流して少し上がり返した後は、山肌に沿ってゆっくり下っていく。左手は相模平野と相模灘が広がっているが、木々に遮られて思うほど見えないものの、木の間からちらちらと望見する景色は高く広く、午前の陽に照らされてきらきら光っている。「落ち葉のささやき」や、むかしTVでやっていた「ジャイアント・ロボ」の主題歌を脈絡もなく口すさみながら気分よく落ちていくとその先に道幅いっぱいにショベルカーが停められひとり山仕事されていた。通行不可といわれぬよう押して「こんにちは」と挨拶して隙間をすり抜けようとすると、びっくりした表情でこちらを見て道を開けて下さった。菩提へ降りず、さらに林道を進む。こちらのほうは先ほどまでよりもさらに通行がまれのよう、路面に落ち葉がつもり、緑のコケがはえている場所もありスリップしないようゆっくり進めるとやがて再びゲートが現れて横を通過した。ここから戸川公園までは地道となるが雨でぬかるんだ箇所も多かった。しかし道は締まっていて、ダートによる適度な振動がむしろ心地よく快調に下ることができた。途中にある水場にもペットボトル水汲みおじさん。その先、朝日か読売旅行かの旗をもった添乗員に連れられたハイカーの人たちが次々と林道を上がってきたので邪魔しないよう脇を通り抜ける。だいぶ下って、戸川公園に入ると、それまで木々に覆われた暗い雰囲気から解放され、太陽の光を直接浴びるのが眩しい。公園でレクレーションを楽しんでいる人たちを見ながら抜けた先は何かの造成地になっている。振り返ると、さっき通ってきた丹沢の山々が、印象的に大きく目に映る。

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 秦野・渋沢まで下らず、菖蒲まで、上の道をつないだが、お昼にまだ早いものの、体が冷えたせいか無性にカレーヌードルを食べたいと思いコンビニを探したが見つからず、仕方なく坂を下りきって国道沿いの店に寄った。カップ麺が戻るまでの間、揚げた鶏肉とたべて腹持ちのするたんぱく質を補給する。地べたに座ってラーメンを食べていると、すぐ先の駐車場の車止めにふたり腰かけて吐く煙草の煙がここまで漂ってくる。気を取り直して、寄に向けて再び上がり道についた。いつもは三廻部林道を進むが今日は距離を短縮したいと思いゴルフ場に通じる急坂を上ったがこれがたいへん急でとても苦労した。大汗をかきながら、なんとかピークを越え、寄の集落に至る。村の運動場のところにある自販機でしばらく休憩してから、寄大橋に向けて一直線の上がりを詰めていくと、年配のロードが横を追い抜いていった(彼は、途中にあるテニスコートの公衆便所で停まった)。

 寄大橋を渡り、ゲートを通って、秦野峠林道に入る。表丹沢よりも、こちらのほうがさらに荒れていて、路面には落ち葉や枝が散らばっている。泥除けとタイヤの間に、しばしばそれが挟まって、擦れる音を出すたびに停めて取り除きながら進んだが、さっきのゴルフ場の道のような急さではないので距離は長めだがゆっくり漕ぐと先の方に見える山の切れ目の峠らしい場所にだんだんと近づいてくる。秦野峠に着いて写真を撮るが、もう一度上がり返しがあるのですぐに進む。路肩崩落に注意しながら下り、12%かの登坂標識を見ながらゆっくり上がり返すと左程の時間もかからずに第二の峠着。ここから、北の方に見る紅葉に彩られた山並みが深く、きれいた。玄倉まで下る途中、台風被害で、2か所ほど倒木で道が塞がれていたが、担いで突破することができた。

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丹沢湖まで下って、ハイカーたちが憩うているビジターセンターでしばらく休憩、おにぎりを食べる。犬越路の上り口までの目標移動時間をイメージして出発、湖の北岸の林道を進み、中川温泉に続く道に合流してからじわじわと上がりを詰めた。温泉旅館、河原のキャンプ場を過ぎ、上の道路にある箒杉をチラ見して進んで、登山案内所で停めてトイレを借りる。その先の山小屋にある自販機で割高な飲料を求めてしばらく休憩、ちょっと進んでから犬越路に上がる道を折り返す。ゲートを超えると、今日三度目、誰もこない己の世界となり、しんと静かな山の中、落ち葉を踏むカサコソいう音を聞きながらゆっくり上がった。下を向かないようGPSを止め、前方カーブの先の路の様子を予想しながら上がっていく。するとやがて上のほうに橋が見えたが、見た目ほどの距離もなく、さらに何度かカーブを曲って進むとすぐ到着、その先の目と鼻の先ほどの距離に犬越路トンネルの入口が見えた。そこに停まって休憩、この先の寒さに備えウインドブレーカーを出し、今日最後のおにぎりを食べる。真っ暗ななか1キロ潜り(道志側の出口近くの床面に細かなガラス片が散らばっているので要注意)、出たところの高みから彼方まで重畳と続く山深い眺望を楽しんでから下りについた。

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さて、ここから先、しばらく簡易舗装が続いた後、地道となるが、もと廃道の雰囲気が色濃かったのが、これまでの台風の所為でさらに荒れていた。すなわち、崖崩れあり、倒木あり、谷を渡る道は落石で埋まり(それらは、自転車を担いで渡った)、埋められていないところも、水が路面を流れ川のようになっている。大水が流れたせいか、もともとがらがらであった路面はさらに大きな石や岩が転がり、轍も深くいまはあたかもゴロタ石の枯れた川底のようだ。路面の凹凸は激しくそのうえは落ち葉で覆われていて一見して状態がわからず、乗車して下ると始終タイヤをぶつけたりハンドルを取られ落車しそうになる。そこらじゅう散らばっている木の枝を巻き込むこともしばしばで、そのたびに「わーっ」と大声を上げて下ったが、路肩の悪いところもありミスして谷底に落ちてはいけないので、結局ほとんど自転車を降りて徒歩で下ったのであった。まだ16時半前だが、山の夕暮れは足早だんだんと暗くなり心細いが、人っ子ひとりいないこんな山中で焦ってパンクするとおしまいだ。何度か橋を渡り、一時舗装が復活したが、すぐにまた荒れた地道となる。そんな風に、犬越路を上がるよりもずっと長い時間押し歩くうちようやく舗装路が復活してほっとした。2つ短いトンネルを潜って、神ノ川ヒュッテの前の園地に到着、長い下りと振動で乱れた荷物とずり下がったズボンを整えてから、青根に向けて一気に下った。

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途中で暗くなりバッテリーランプを灯す。すでにとっぷりと日暮れた道志みちに合流すると、山中湖の方から戻ってくる自動車の列がひっきりなしに続いている。信号待ちでしばしば渋滞する車列の横をすり抜けて、空腹のため途中のコンビニに寄りたくなるが対面で道路を渡ることができずそのまま青野原のバイパスを抜け三ケ木の交差点まで進んだ。そこから先いつものように津久井・城山を通り、橋本の途中でようやく進行方向にローソンがあり休憩、アップルパイと温かいラテを求めて小腹を満たした。町田街道に入るまではどこかの学校の文化祭帰りかの学生で混雑して渋滞した車列に邪魔されたが、町田街道に入ると道がすいたので、サードウィンドにのってトップギヤをぶんぶん振り回し気持ちいい。朝、西の空に見た、朧のまんまるお月様が、東の低い空に顔を出している。帰宅時間19時20分。子供たちは学祭・文化祭の打ち上げだそうで不在。嫁はんが都心の大学の学祭を覗いたそうなので感想を聞くとなんでもアリまるで企業の展示会のようだというた。タテカンとかゲバ字とかもうとっくに絶滅したのかな。むかし前夜祭で自家製のお酒を飲みながら友だちと一晩中長い記録映画を見たことを思い出す。自転車を掃除して着物を洗濯した後風呂に入って晩のおかずを肴に焼酎を楽しんだ。


Commented by ぶとぼそ at 2017-11-11 17:01 x
台風直後とはいえ、秦野峠と犬越路にも大きな被害が出ていますね。
このまま廃道になるとは思いませんが、早急な回復は望めないかもしれませんね。
会津の路は、元主要道の旧道でありながら、間違いなく廃道になりそうところが多かったです。
林道好きな人にとっても、荒れ過ぎた路は困りますよね…。
Commented by paparouh at 2017-11-11 17:13
> ぶとぼそさん
秦野林道は、倒木が2か所ほどありました。犬越路は、道志側が、荒れ放題といった印象です。林道としての機能を残すのであれば車両を入れてメンテしてほしいのですが、犬越路は端からそんな様子はなく、秦野峠の路肩もずっと崩れたままなのでこのまま朽ちるに任せるという感じでしょうか。明日は、長野の手前まで久しぶりに輪行するつもりです。ですが、寒いので布団から出る気力が湧くかどうかが問題です。
by paparouh | 2017-11-06 22:15 | 神奈川県西部 | Comments(2)

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