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櫛形山林道・湯之奥猪之頭林道

1.コース

甲府-白根-櫛形山林道-鰍沢-下部温泉-湯之奥猪之頭林道-朝霧高原-本栖湖-河口湖 122キロ

(ルートラボ)https://yahoo.jp/HoqEHB

2.実施日:2017年11月12日(日)晴れのち曇り

3.実施者:単独

4.日記

 延期した神坂峠越えは、土曜の天気が良くなくグループツアーとしては中止。この際、ひとりで出かけて来ようかと思ったが、ネットで見つけたある記録を見て単独行は無理と判断した(ネットのコースは、あまり一般的でないことが後からわかった)。

 代わりに、前から行きたいと思っていた、房総の郷台林道を計画したが、先の台風で崖崩れとの情報を見つけ断念。他を検討するうち、この時期に訪れて紅葉がきれいだとの記録のある今回のところにでかけることにした。櫛形山は初めて。湯之奥猪之頭林道は2度目の訪問となる。

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 自宅近くのM駅の一番列車に乗るために、4時に起きなくてはいけない。天気予報のとおり冷え込んで温い布団から出ることを一瞬躊躇したが、秋のせっかくの好天が無になるのは勿体ないと意を決して抜け出した。しかし、朝の定例の一大事に思いのほか時間を要したほか、M駅ターミナルのところで組立てていると、夜っぴで遊んだ若者が近くで騒いで落ち着いて作業できず、出発時間ぎりぎりになって列車に飛び込んだ(このため、駅弁を買うことができなかった)。八王子・大月で乗り継いで、7時10分甲府駅到着。構内の駅そばで「コロッケうどん」を食べてから、南口に降りて自転車を組み立てるも、ここでも大声で訳のわからないことをいう人が近くにいて心乱れ作業がはかどらない。水の入手や組み上げた自転車の調整など時間を要し、甲府駅発は8時10分と遅くなってしまった。

 信号になんどもつかまってペースがあがらないなか、西へ向かうと、これからいく赤石山脈の前衛の山々がだんだんに近づいてくる。その向こうに上だけ顔を見せているのは、北岳か間ノ岳だろうか。開けた場所で北の方角に目を向けると、独特の山容の八ヶ岳が裾野を広げている。振り返ると甲府の山々の先に朝の陽を受けた富士が光り輝いている。社会人になりたての頃、一週間分の食糧と天幕を持って、このあたりの道をバスで芦安の方に向かってから北岳に上り、光岳まで縦走した。

 やがて目の先にループ橋が現れ、急な車道だな、どこに向かう道かな、と思うたが、手元のGPSは進路にこの道を指示した。ルートラボで2点指定すると自動的にコースを決めるので、気づかなかった。段を軽めに落とし、ループをゆるゆると上がってから坂を詰めると、長峰林道入口に到着、左折して進むとやがて櫛形山林道の起点の標識があるところに至った(9時32分)ので初めて休憩した。ゲートは開放されていた。

 道は、櫛形の山塊の南東の斜面に沿って徐々に高度を上げていく。坂が厳しいところもなく体感的に7~8%の勾配加減、空気がきりっと澄んでいて楽しいヒルクライムだ。車もほとんど来ない道、ひとり楽しく落ち葉を踏みながら高度を上げていった。ときどき斜面をかさこそ走る動物の音が聞こえ、カーブを曲るたびに不意の鉢合わせに用心してベルを鳴らしながら進んだ。やがて富士山の眺望が効く場所に到着、漕ぎ始めてから好い時間なので自転車を停め、おにぎりを食べて少し休憩した。

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 ここから、勾配が急になるように見えたが、急な区間は僅か、上がってカーブを曲ると元のとおり落ち着いた坂に戻る。それでも、何度かカーブを繰り返して上がるうち、雑木林からカラマツに変わり、一時山の北側を巻いて進むようになると、陽の当たらない所為か冬枯れの感じになった。しばらく進むと、向かいの山肌に遠くまで林道が通っていて、その先、下のほうに芦安らしい集落が見える。今日はそちらに進まず、直進して、もうだいぶ漕いだのでそろそろピークかなと思う反面、進むべき1,500mを越えるにしてはまだ生暖かい感じもして、実際そのとおりそこから先もまだまだ坂が続いた。谷を渡る橋を2か所か3か所ほど通過して(そこで、水を得ることができるようだ)、ときどき見える富士山(だんだん雲がかかってきて、最後見えなくなった)と富士見町の展望を楽しみながら上がり続けるうち、空気がひやっと冷たくなり木々の様子も寒々しくなって、ようやくピークに到着したらしい。徐に下り始め、滝見の小屋も止まらず、冷たい風を受けながら下り続けた。だいぶ下って、丸山林道に合流、今日はそちらに進まず、木蔭の道をさらに下るとやがて拓けた集落となった。歩いていたおばあさんに「こんにちは」と挨拶する。村の中を通る急な水路の脇を下って広い車道に合流、下ってきた山のほうを振り返ると、裾野の村(平林)の家々と畑と、その上に赤や黄に紅葉した山、さらにその上に青空が広がっているのが美しく清々しい。風が冷たいのを我慢して、広くなった車道を一気に富士川に下った。

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 鰍沢の国道に合流したところに折よくコンビニがあり、いつものようにカレーヌードルと腹持ちのするフライした鶏肉を腹に納めた。富士川の国道に沿って順調に飛ばす。十谷峠や早川への道を過ぎ、ふたつの川を渡り波高島のトンネルを潜って下部温泉駅に至る(13時50分)。駅舎の自販機で冷たい飲み物を求めてしばらく休憩。待合室には、列車待ちの観光客が数人いた。やがて到着した身延方面の列車はがらがらのよう。

 ここから先、しばらくは上り一方となる。櫛形山林道に続いて足を使いすぎないよう最小ギヤに落としてゆっくり進んだ。温泉街といっても、廃業したところもあるようで、少しさびれた感じを進むと、やがて坂が急になった。行きついた先の湯之奥集落で一度降りて、鄙びた集落のなかの石畳の坂を少し歩く。デポした場所に戻って、滑り止めのついた距離だけ林道を押して歩くと、下からオートバイ集団が山奥に不似合なモーター音を立てて上がってきた。籠を背負って、杖をついたおばあさんの横を驚かさないように挨拶して追い抜いて、再び長いひとり旅の開始。下部温泉街からここまで上がっても、行く手のずっと先まで深い山々が続いていて、何処が鞍部なのかわからず先が思いやられる。しかしどうせいつか上がってしまうのだろうと、渓流の音と、上か下かから吹いてくる冷たい風を感じながら、紅葉真っ盛りの山道をゆっくり分け入って行った。ところどころ道端に植わっている真っ赤なモミジがきれいだな。

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 さて、だいぶ上がったと思って、山肌をめくると、その先の上にも道が通じている。そんな風に、何度も期待を裏切られながら、しかし気を滅入らせることなく、じわじわと高度と距離を稼ぐ。金山があったという毛無山の登山口があり、登り口がある位なら屹度もうすぐ上だろうと思ったが、まだ山奥深くへ続いている。もうだいぶあがってこれが最後だと思ったその先の上のところにこれから行くべき道路が通っているのが見える。ようやく谷を離れ、上の山肌に沿って道が南北に進むようになった。来た方向を振り返ると、谷に沿って深い山々が遠くまで連なっている。早川の方の空は青いが、このあたりは曇天で暗くもの寂しげだ。下部温泉から山道を延々17キロ経てようやく隧道に到着(16時15分)、この時間帯、潜った先に富士はもちろん見えず、出たところで寒さに備えウインドブレーカーを着こみおにぎりを食べてから太腿をストレッチした。

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 今日は冷えるそうだが、まだ真冬ではないからと、起毛付のアンダーシャツに春秋用山下着・その上に春秋用自転車用ジャケットを着てきたがその上にウインドブレーカーを羽織っても(指付のすべり止め付作業用手袋を着用)、この時間の下りの冷たさを凌ぐことはできず、寒さで手のしびれを感じながら我慢して下った。下の集落に降り、国道に合流する前にとっぷり暮れた。国道139号線を通って、真っ暗な朝霧高原・青木ヶ原樹海を抜けて河口湖まで進んだが、終盤にきてもほとんど上がり基調、朝霧高原ではハイウェイのように飛ばす車が危なっかしくて、向い右車線の歩道を進んだが、途中で道幅が狭くなり暗くて道路の状態が読み込めず往生した。だがそれよりも寒さが堪え、鳴沢にあったコンビニでホットココアとミートパイを食べてから出た後は一度温いスペースに入った所為かむしろ寒さが募り震える手でハンドルを握ると車体も揺れた。河口湖駅到着18時50分。時刻表を見ると大月行鈍行19時13分発で、かじかんだ手での輪行作業は間に合わないかと思ったが、出発間際ぎりぎり間に合った。

乗客はほとんど外国人で占められていた。正面に中国語とロシア語、向こうに朝鮮語、左側にヒンドゥー語。私の隣に赤ちゃんをだっこした西洋人夫婦が座ったが、床にだっこ紐を落とすのを見て正面の中国人か台湾人かが落ちたよとジェスチャーで知らせてくれた。国を超えた住民の交流・連帯が世界平和の基。わが祖国が、おたくのYouだけでなく普通のYouにも好きになってもらえるアジアの自由と民主主義の国であってほしいと思うが、最近どんどん遠くなっているように見える。そんなことを考えつつ高尾まで鈍行を乗り継いだ。

当所の予定では、大月まで漕ぎ通す気でいたが、時間切れと寒さで断念した。しかし、先週に続いてこの時期の紅葉をだいぶ楽しむことができたのでまあよかったことにしよう。これで今季の紅葉サイクリングはおしまいかな。もしかして一番遅い房総に出かけるかもしれない。


Commented by ぶとぼそ at 2017-11-15 15:15 x
写真から見ると味のある路なんですが、前半部分からも手強そうなコースですね。
そちらからだと朝一番に乗り込めば甲府に早く着けるのが羨ましいです。
昔は私も十日市場駅からそのパターンで信州方面出かけていましたが、今の住まいからだとそれが出来ません…。
Commented by paparouh at 2017-11-15 21:41
> ぶとぼそさん
前半の路は初めて、後半は2度目でした。どちらも坂はそれほどきつくありませんが、その分距離が長かったように感じました。特に湯之奥猪之頭林道は、山を分け行っても、分け行っても、その先にまだ道が続いていて、山深さを感じました。今のお住まいだと、逆に、伊豆や静岡方面の輪行がやりやすいのではないでしょうか。静岡もまだまだ行ってみたいところがありますが、新横浜からだとお金がかかり過ぎるのでなかなか出かけることができません。
Commented by INTER8 at 2017-11-15 23:10 x
今回もガッツリ走って満足できたようですね。
トンネルを越えて朝霧高原側へ出ると景色が一変するでしょうね。一度行って見たいところです。
もう日が短くなって一日の工程も控えめにしないといけなくなってきましたね。
富士五湖は標高が1,000mくらいだから寒さも厳しいですよね。
Commented by paparouh at 2017-11-17 09:15
> INTER8さん
櫛形山のあとは、丸山、十谷峠に行こうかなと思いましたが、日暮れのことを考えて、こちらのコースにしました。最後、富士五湖の道路を、真っ暗ななか、震えながら帰りました。でも、紅葉の美しい、走りごたえのあるコースでした。
by paparouh | 2017-11-13 22:35 | 山梨県中・西部 | Comments(4)

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