1.コース
下仁田-塩ノ沢峠-ぶどう峠-馬越峠-信州峠-甲府 131キロ
(ルートラボ)
http://latlonglab.yahoo.co.jp/route/watch?id=1506b0436c810ddbc827e7539454d943
2.実施日:2014年9月27日(土) 晴れ
3.実施者:単独
4.日記
爽やかな秋晴れのなか、下仁田から、4つの峠をつないで、甲府まで走ってきました。

自宅近くの駅の4時台の一番列車にのると、上越新幹線の東京始発6時08分に乗ることができます(京浜東北線の前の車両にのってうまくつなぐと、04分のやまびこにも乗ることができることもわかりました)。大宮駅の手前で、乗務員さんの確認を受け、座った5号車が自由席でないことを知って前の車両に移りましたが、上野駅過ぎでも、朝早くから自由席は相当ふさがっていました。上信電鉄の高崎駅構内にある駅そばでラーメンを食べたかったが、用足しや買い出しやらで時間をつぶしてしまったので、ロッテリアのハンバーガーとコーヒーを持ち込んで食べました。乗った上信電鉄は、ボックス席のある新型車両だがこの時間はまだ世界遺産目当ての観光客は乗っていないようです。下仁田駅着8時21分、駅前のタクシー会社の運転手さんの会話の大きな声を聞きながら自転車を組み立て、少し戻ったところにあるセブンで少しカロリー補給してから今日のサイクリング出発しました(時間8時50分)。
磐戸(いわと)まで、南牧川に沿って緩やかに上がっていきます。途中の小学校2校(下仁田小学校、南牧小学校)では、秋の運動会が開かれていて、保護者の自動車がたくさん停まっています。最近新聞で、市町村別の人口減少の見通しの記事が出ていて、南牧村の名前もあるデータが確か載っていましたが、日本の田舎の美しい風景が子どもたちに受け継がれていくことを一介のツーリストとして願うしかありません。橋を渡って南に転じ上野村に向かいます。南牧と上野をつなぐトンネルへの分岐まで急な坂道が続きますが、旧道の峠道に入ると、体感5~6%ほどの傾斜になり、杉林が上がるほどに広葉樹に変わる山のなか1.5車線を楽しくヒルクライムすることができました。観光バイクがたまに往来するくらいで、車はトンネルを進むので一台も見ません。木々の間から桧沢岳を見て、さらにだいぶあがると、伐採地に出て、北のほう妙義の山々の眺望を楽しみました。塩ノ沢峠到着は10時25分、写真を撮っただけで頂上のトンネルを潜り、前回の御荷鉾ツアーのときに休んだ場所を通って(御荷鉾スーパー林道)、広葉樹のなかの道のカーブを、ときどき見える遠くの山の景色も楽しみながら、ダウンヒルしました。今日はまだ早いが、このあたり岩山に映える紅葉がきれいだったことが思い出されます。国民宿舎とうどん屋さんの横を過ぎ、下りきったところの上野村の神流川の橋のところで一休みしておにぎりを食べました。




10時50分、ここからぶどう峠へのヒルクライムを開始します。神流川の渓流沿いのわりに平たんな道を中之沢まで、そこから傾斜が上がりますが、塩ノ沢峠と同じで坂道はそれほどきつく感じません。道は、最初は渓流沿い緑鮮やかな広葉樹のなかを進む癒し系、だいぶ上がると北のほうの御荷鉾の山々の景色が見えるところもあります。こちらも自動車はほとんど通らないので、楽しく山上りをすることができました。道がジグザグ上がりのところを二度ほど過ぎてからも、峠までの距離が長いことを知っているので、騙しの峠に騙されないぞと思って上がり続けましたが、乗っ越しのカーブをめくって上のほうに見えた鞍部のところが峠だと思ってすすむと見込み違いで騙され、落胆して残りの距離をきつく感じました(峠手前の、御巣鷹山が見えるところに小さな祠があることを忘れていました)。峠手前のところで軽々と上がるロードレーサーおふたりが挨拶をくれながら追い抜いていきました。ぶどう峠着12時28分。今ほどのおふたりのほか、オートバイ2台(うち一台はおとうさんと小学生くらいのタンデム)いらっしゃいましたが、しばらくするとそれぞれ出かけられました(ロードレーサーたちは上野村に戻って行かれました)。



ぶどう峠の信州側は、白樺林になっていて、植生の感じが違うところが、埼玉と長野の峠道に共通しています。下った北相木村から振り返ると、村の向こうに御座山(おぐらやま)がどっしりと構えていました。途中、道を左に折れて大鰐峠のトンネルを越えて御三甕(おみか)の滝から、今日3度目の上りが始まります。本格上りに備えて役場手前のデイリーマートであんぱんとジュースを買って少し休みました。ぶどう峠は、国境の険路といった大物峠のイメージがあるのに対し、これから行く馬越峠は南佐久のローカル峠といったところですが、こちらのほうが高く、なによりも、相木側から上がると、勾配がこれまでふたつの峠と比べて急なところが結構たいへんです。泊まったこともある立岩湖の横を過ぎ、温泉施設のところを右に曲がって(13時50分)、いよいよ急坂の始まり、最初は別荘やがて野菜畑の間の道に変わるが、体感で10%位なのが続き、28T×26Tギア比1.08のロー・ギアレシオでゆっくりと進みました。さっき上った野菜畑や、遠くに佐久の山々が展望できるようになると勾配も緩みやがて峠に着きました(14時40分)。峠から、川上側に、おなじみの野菜畑の広がりの風景を見ることができるが、鉄塔と電線が邪魔です。峠には開通の記念碑の隣におじぞうさんがいらっしゃいます。しばらく休憩しておにぎりを食べてから川上側に下りましたが途中、上のほうを見るとわずかに色付いているようにも見えました。やがて野菜畑の間の道になり、葉物野菜の匂いを感じながら下りました。

ナナーズの横を曲がって、しばらくアップダウンするとやがて道は南に曲がり、信州峠へ向います。道が畑のなかをまっすぐ峠に向かって上がっている様子が見てとれる感じがどこか北海道っぽい雰囲気です。傾斜は見た目ほどきつくなく、少しカーブを繰り返すとすぐに峠に到着しました(15時40分着)。

峠の記念写真を撮ってからすぐに下りましたが、山梨県側は緑の広葉樹のなかを左右にカーブしていてこれまでと対照的な風景です。途中、木々の切れ目から瑞牆山が見えたのでシャッターに収めました(撮影するにはクリスタルラインに合流したあたりが構図の点でベストだと思うが、そこから撮ろうとすると電線がとっても邪魔)。
鉄自転車の愛好者にとってありがたみのある名前の黒森鉱泉に前に来たときは、ここから木賊峠に回りましたが(大弛峠と木賊峠)、今日はその元気も時間もなく、甲府に向けて一気にダウンヒルしました。この時間でも、何人もロードレーサーが上がってこられますが、みんなとすれ違いのときに挨拶を交わすことができて気持ちよかった。途中、明野の高台にある、黄色く実った稲を刈り取り中の田んぼ越しに見える編笠山と権現岳がきれいです。正面は南アルプスの山塊が夕日に照らされて光っています。最後は富士山のシルエットを見ながら残りの距離を進み、甲府駅北口に17時45分に到着しました。 
帰りはあずさ号に乗りました。静かな車内に、おばさん声ふたりの甲高いおしゃべりと笑い声が八王子まで続きましたが、長い距離を走った充実感と心地よい疲労感に浸りながら今日の出来事をメモしつつ帰りました。
(追伸)サイクリング当日の御嶽山の噴火で多くの方が人体に深刻な被害に遭われていることを知りました。状況が少しでもよい方向になることをお祈りします。