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一之瀬高原

1.コース

猿橋-松姫峠-小菅村-今川峠-丹波山村-一之瀬高原-柳沢峠-小河内ダム-奥多摩-青梅-羽村-福生-拝島 156.6キロ

(ルート)

https://ridewithgps.com/routes/30484188

2.実施日:2015年4月12日(日) 曇り時々晴れ

3.実施者:単独

4.日記

 今年は花見の機会を逸したので、少し遅いであろう高原の桜を見に、一之瀬高原に出かけました。桜や新緑はまだ時期が早かったようですが、観光客もほとんどいないとても静かな高原地帯のツーリングをすることができ、楽しい思い出が残りました。

 猿橋駅前で早起き鳥の囀りを聞きながら自転車を組み立てた。駅前のとおりにあるコンビニエンスで行動食のおにぎりを求め、6時50分、今日のツーリングをスタートした。昨夜降ったらしい雨で湿っている葛野集落のなかの道路をしばらく進む。大月からきた道をあわせてからヒルクライム開始、最初の取り付きのところは坂が急だが、そのあとは自転車で上がるのに適度な勾配の坂道を楽しくサイクリングできる。気温が上がってくるにつれて、右手の葛野川の谷筋から靄がわいてくる。浅川など対岸の集落を見ると山の斜面のだいぶ上のほうまで民家があり、そのうえの山の稜線が朝の日の光を受けてきらきらと輝いて印象的だ。街道沿いの民家にところどころ植えられた桜の花を愛でながら、松姫鉱泉を過ぎ最後の集落のなかを通ると廃校となった小学校跡に投票所が設けられていた。深城ダム到着7時58分、いつものようにここで一本取って東屋で休憩しているとバイクのおじさんが近づいてきたので目礼を交わした。

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 ここから小菅村まで、開通したトンネルの影響で、松姫峠への道がどうなっているのか見たいと思ってきたが、トンネルの手前の分岐で、通行止め(道路補修・9月末まで)の看板とともに、バリケードが設置されていた。峠越えができないとなると今日のツーリングの面白さも半減するので、自己責任で通させていただく。その先、トンネル内の灯りもなくカーブして出口が見えず真っ暗ななかを通って、葛野川ダムの分岐まで上がる。さらに進んで、山道のヒルクライムに入ると、早い時間に下ってきたひとりのサイクリストと行き交い「ゲートがあるとは知らなかったですね、この先通れますか」と尋ねられたので応答した。上まで通ることができることがわかったので、人気のない山道を春の鳥の鳴き声を聞きながら淡々と上がる(どこかで、啄木鳥のドラミングの音を聞いた)。標高が高くなると、まだ新緑は早く、枯れ木のあいだ越しに上へ上へと続く路が見える。峠道なかほどの一番急なところをゆっくり上り、北の方角に折り返して上がって西に大菩薩の山並みが望めるようになるともう松姫はすぐ近く、最後のカーブを曲がって景色のよい場所に自転車を停めて記念写真を撮るこれもいつものとおり。

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 9時05分松姫峠着、少しだけ立ち止まった後素通りして小菅村にダウンヒル。新しくつけられた松姫トンネルへの分岐を過ぎ、さらに下って村の中心部まで下って小菅川の橋を渡る。峠道の上から見渡すと日の当たった明るい村々の随所に桜の花が咲いてきれい。今川峠の登り口の公衆便所で用を足し、おにぎり1個たべてひと心地つける。村の親子が集まってみんなで村の道の掃除をしていた。今川峠は距離が短いが坂がたいへん急なことを知っているので、最少のギアレシオ(28T×26T)でゆっくり進んだが、道路凍結の心配がなくなって、冬の間聞かなかったおじさん集団オートバイの大音響が遠くから近づいてきて、次々と横を過ぎ去っていくさまは山郷の雰囲気に不似合で聊か興冷めである(ハーレーダビットソンの排気音はアメリカの大平原に響くのが相応しい、と思う)。峠には10時10分着。ここでもおにぎりを食べてひと休みしてから丹波山に下る。小菅側の杉林の暗い感じと違って、こちら側は広葉樹も混じった雑木林の明るく対照的な雰囲気だ。突き当たり、左折して大菩薩嶺線を進む。丹波山小学校の桜を見ながら、丹波川沿いを徐々に上っていくと何人かのロードバイクに抜かれた(なかには、こんにちはと挨拶を下さりながら抜いていく夫婦連れと思しきふたり連れもいた)。渓谷美を楽しみながら泉水横手林道の分岐を過ぎ、幾分急さを増した頃、一之瀬高原への分岐に到達。ここへきて累計獲得標高2000m近く、だいぶ太ももに乳酸がたまっているので、林道を少し進んでバイクの騒音のあまり聞こえないところで長めの休憩、おにぎりを食べマッサージなどする。ここから行く手を見上げると深い谷の崖沿い道が付けられているのが見えてなかなかのスケール感だ。

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 11時10分、再開。一之瀬林道を遡る。しばらくは山肌につけられた道を上っていくが、ひと上りして深い谷が近づき、ジグザグ道を辿るようになるとやがて金山跡の集落に入る。遠くに猟犬のほえる声が聞こえる。少し遠くに廃校した小学校が見える。人気のないバンガローの間をぬって上がると、ようやく目的地の民宿(食堂)「みはらし」が見えてきた。昨日、電話して昼食がいただけるか確認していた。奥さんが「昨日電話くれた人かね」と尋ねた。日の当たるテーブルに座り、先客のご夫婦とともに食事をいただきながら、奥さんのおしゃべりに聞き耳をたてる。「宿泊の予約があったのでここまで上がり布団を干すなど準備したが、昨日の雨降りでキャンセルになった」「だけどおにいちゃん(私)の予約が入ったので手うちのそばを準備した」「胡瓜とかぼちゃの種をまくと胡瓜よりもかぼちゃのほうが芽が出やすい」「せっかく芽が出ても鹿が食べてしまうこと」「柿の木も熊が来るので剪定してしまった」「かつては何軒かの民宿があったがいまはここだけになってしまったこと」「選果場ではねられた柿やお歳暮の果物をうまく料理して無駄使いしないようにしていること」「長野の食堂に手伝いにいったお友達の苦労話」「新緑はまだ早い、一之瀬の春駒が終わったころが見頃」・・・など、奥さんの楽しいお話を伺いながら、素朴な田舎料理と干し柿のデザートをおいしくいただき、特に何もない一之瀬集落の風景を見ながら空腹を満たしひととき解放されたのであった。会計のときに「お茶でも飲んでゆっくりしていって」といわれてお礼をいいつつ、自転車にまたがり出発した。

 まだ新緑には少し早い高原の高台を巡るプロムナード道、山の雰囲気を楽しみながらのんびり回ったが、よそ見してグレーチングの段差に気がつかず強かにタイヤを打ち付け前輪は大丈夫なのでいったん安心したがやがて後輪の空気が抜けていることに気付き、パンク修理で30分ほど時間をロスした(私も後輪抜重の練習をしておけばよかったと思ったが後の祭り)。奥多摩の山々が見える展望所でひと休みしてから、犬切峠への分岐を下って国道に合流、そこから柳沢峠まで、再びえっちらおっちら上り14時35分到着。富士山を写真に収めた後、元来た道を引き返し丹波山まで長いダウンヒルを楽しんだ。

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 丹波山戻り15時10分、途中の奥多摩湖のドラム缶橋のところでトイレ休憩、小河内ダム16時。今日はむかし道を通らず国道をダーっと下って奥多摩駅到着16時15分。基本的に下り一辺倒だが、乳酸の溜まった足がだるく奥多摩駅前の商店前の椅子に腰かけて買い求めたポテトチップスとラテでしばらく休むと心なしか疲労が回復した。あとは青梅街道に沿って、御嵩・青梅・羽村・拝島まで、羽村から福生にかけて多摩川沿いの堰堤の桜並木の散りはじめの桜を楽しみながら帰路についた。当初の計画では自宅まで乗車して帰ろうと思っていたが、結構疲労感が激しく八高線を越えたあたりで心がおれて拝島まで戻って輪行で帰宅したのであった(昭島から拝島まで、日が暮れて道がわからなくなり少し迷走気味になり、道を尋ねながら駅に向かった)。

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 拝島駅着18時30分、このときは疲労から自転車を輪行袋に仕舞うことさえ難儀であったが、八王子行の八高線まで時間があったので構内の駅そばでざるそばを求めていただくと心なしか体力が回復した。


Commented by とし at 2015-04-14 06:36
こんにちは。
松姫峠は車は通れないようになっているのですね。確かバス停があった気がしますが、バスもでしょうか。自転車なので車が通らないのはいいのですが、大菩薩方面からの牛ノ寝通りも荒廃しないかなとちょっと心配になりました。
一之瀬高原、私も周回してみようと思いました。いくつかのレポートを見ると放し飼いの犬がいるとのことでしたが、天国に行ったのか里に下りたのか、今回は遭わなかったようですね。
Commented by MARTEN at 2015-04-14 18:00
奥多摩から南は未体験でして、今年は訪ねてみたいと思っております。見所がたくさんありますね。パンクも疲れのたまった中での輪行も大変だったと思います。お疲れ様でした。私はいつもパパロウさんの半分以下の距離で往復輪行です・・・。
Commented by paparouh at 2015-04-14 21:57
としさんへ
こんばんは。大月側から先は規制されていましたがが、小菅側からは、特に規制はないようでした。一之瀬へは、ここ数年毎年のように訪れていますが、犬に追っかけられる等の災難に遭うことはこれまでなかったです(犬の鳴き声はよく聞きましたが、猟犬でしょうか?)。
牛の寝通り、いつか行きたいコースですが、その前に山サイの世界を知らないと・・。
Commented by paparouh at 2015-04-14 22:10
MARTENさんへ
パンクした場所ではそれほど疲れていませんでしたが、最後、拝島に至って、たいへんくたびれたて、年相応の体力の限界を感じました。去年5月頃、ほぼ同じコースを通ってたときの記録を読むと、昨年と比べて体力がだいぶ衰えてきているのかな~っと思います。だけど、「寄る年波」に負けないようにできるだけ頑張りたいと思っています。
ところで、再塗装されたダイアモンドによる、信州ツーリングのレポート読むのを楽しみにしています。

Commented by MARTEN at 2015-04-15 18:31
信州ツーリングの話、覚えていていただいて恐縮です。実は塗装が遅れておりまして、間に合わない可能性が大きくなってきました。いま、代わりの車体を整備中です。
Commented by ぶとぼそ at 2015-04-16 11:00
お疲れさまでした。
私なら柳沢峠から塩山に下り、輪行ってパターンになりそうです(苦笑)。
松姫峠、トンネルの開通で静かなサイクリング路になる事を期待していましたが、この時期に理由を付けて通行止めにするって事は、今後手入れがされずに廃道になってしまう!? なんて考えも頭に浮かんでしまいました…。
Commented by ぶとぼそさんへ at 2015-04-17 05:55
柳沢峠から塩山側の下りは、8さんおっしゃるとおり、ループ橋がちょっとこわいのと、春の奥多摩湖岸にも行きたいので、来た道を戻りました。松姫峠大月側通行止め期間、9月末までと案内されていたと思いますが、道路補修のためとありますので、廃道にするつもりはないようです。
Commented by INTER8 at 2015-04-18 00:14
こんばんは。
これまた素晴らしいコースと獲得標高ですね!
昭島まできて輪行したというところにも、そのハードさが伺えます。
一之瀬の犬は手前から犬切峠へ向かう途中の民家にいます。二度対決しましたが二度とも完敗です。逃げるしかありません (^^;
松姫峠はトンネルが出来る以前でも交通量は少なめでしたからね。深城ダム側は道幅も狭いし崖崩れなどで一旦通行止めになったら修復にお金を掛けるかどうか…
Commented by ぱぱろう at 2015-04-18 20:16
INTEr8さんへ 一ノ瀬高原の犬の吠え声は、猟犬でなく犬切峠に向かうところの飼い犬とのこと、いつも犬切峠には行きませんので、気が付きませでした。その犬の鳴き声なら遠くから毎度聞こえてきます。
松姫峠への大月側からの通行止めは、「道路補修」の看板がありましたので、凡そ半年ほどの長期間の通行止めですが、廃道にするつもりはないのではいかと思います。万一廃道になると、これまで首都圏のサイクリストに愛された定番ルートがなくなることになるので、それはやめてほしいな~と思いました。
Commented by INTER8 at 2015-04-18 22:28
こんばんは。
としサンのところで十谷峠のことをお話ししていましたので、過去に行った時の日記がありますので、よろしければ参考にしてください。
http://d.hatena.ne.jp/INTER8/20080910
(先ほど改めて写真を貼っておきました)
Commented by ぱぱろう at 2015-04-19 07:12
おはようございます。日記拝見しました。たいへんよいところで行きたい思いが強まりました。情報提供ありがとうございました。
私は今日も遠乗りしようと思ったのにいつものように?深酒で朝寝坊してしまいました。近場のポタリングに出かけようと思います。
by paparouh | 2015-04-13 22:36 | 山梨県東部・富士五湖 | Comments(11)

サイクリングのことを記録していきます。


by ぱぱろう
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