御坂山塊(八坂峠・水郷芦川)
2015年 09月 14日
河口湖-本栖湖-古関-八坂峠-中芦川-若彦トンネル-河口湖 76キロ
(ルート)
2.実施日
2015年9月13日(日)くもり時々晴れ一時雨
3.同行者
Iさん
4.日記
ご自宅を起点に農村ツーリングされるスタイルが得意のIさんに、ご近所の縁で同行をお願いしたところ、自走プランともうひとつ此度の御坂山塊コースを提案していただきました。私自身未経験のこのエリアにより魅かれたことから、Iさん例年定例実施とのこのコースにご一緒させていただくことになりました。
5時30分駅前広場でピックアップしていただきました。御殿場で降り、籠坂峠・山中湖経由で河口湖に到着。自転車を組み立てるのを待っていただいて、8時30分出発です。富士山の溶岩が流れてできたような感じの河口湖の対岸の様子を眺め、西湖・本栖湖に向かいました。今日は、暑くなく、かといって寒くもなく、サイクリングするのに丁度良い気温を楽しみながら調子よく自転車を進めましたが、途中で雨が落ちてきたので道沿いの木が覆っている歩道のところで少し雨宿りをしました。Iさんから、こんなときは泥よけがついているのがうらやましいといわれました。ご自身は、雨がひどくなったときは携帯用の泥除けを後輪につけられるとのことですが今日はそこまでひどく降りませんでした。行く手向こうの空は明るく、雨も幾分弱くなったので、Iさんはウィンドブレーカー、私はポンチョを着て自転車を再開、幸いなことに本栖湖畔でほとんど止みました。
本栖みちの下り、道幅も広く車も来ないのでヘアピンカーブを楽しみながら下りました。下りきった先、古関を右折して集落の道に入ります(降りると富士五湖あたりと比べ気温が高くなり、Iさんはウィンドブレーカーを脱がれました)。そこから先、車の来ない集落の間の路をふたりでゆったりと進みました。集落のある田んぼでは早くも稲刈りが行われところどころ架け干しされていました。途中、双体の道祖神がありました。道祖神には、旅の安全を祈るとともに子孫繁栄の願いがあったのだとIさんが解説してくださりました(道祖神は安曇野とか信州のイメージがありましたが、甲州にもあるのだなと思いました)。さらに進むと、私たちが子どもの頃によく見たような街の万屋の商店(仲義・なかよし商店)があり、ふたりして店の様子を懐かしく眺めました。そこからも、民家の佇まい、富士の八海道信仰で道中遭難された方の供養碑や、赤い鳥居の小さなお宮さんなど素朴な農村風景を楽しみながらゆっくり進むうち、前の山の上の方にこれから進む道路が見えました。やがてそこに通じる林道入口に到着したので立ち止まって少し休憩しました。直進しても八坂峠に行くことはできると教えていただきましたが、沢沿いの直登できつい傾斜とのことで、今日は素直に林道を上がります。
左折して八坂峠越えスタートです(11時47分)。この峠路、最初は山肌に沿ってところどころ急になる斜面を上がっていきますが、全体的には自転車で上がるのに丁度良いくらいの中斜面、どきどき会話しながらヒルクライムを進むと、やがてさっき下から見えた道路のところに到着したので、今度は上から見える農村風景を楽しみました。そこからしばらくは等高線に沿って横に移動するようになります。こんな奥まったところにも2軒ほど民家があり人が住んでおられるようです。その向こうだいぶ先の山の鞍部のところが峠だとIさんが教えてくださいましたが、ピークはこのあたりでおしまいと勝手に思い込んでいたので、八坂峠って意外とスケールが大きいのだなと思いました。さて民家の先の道路筋に、かつて上折門道祖神があったそうですが、いまは盗難予防でどこか別の場所に移されていてるとのことでした(Iさんはかつて直に見学されたとがあるとのこと)。また、小中学校分校跡もあり、昭和48年で小学校が閉校になったと案内にあります。こんな山奥にもかつて山上集落があり子どもたちの通う学校があったとは少し驚きです。さて、そこから八坂峠までもうすぐだと思って、早く登坂を終わりたいのでいつもの悪いくせをだして少しスピードを出して上がりましたが、実際はいったん下ってからまただいぶ上がり返したので、峠の手前のきつめのところでだいぶばててしまいました。一方Iさんは、私のペース配分関係なしヒルクライムに惑わされることなく着実に上がられ息もほとんど乱れない様子は、流石です。峠到着13時10分、ここにある草のはえた小さな広場の特等席にはバンが止まっているので休憩場所を取られたなと話していたら丁度車の主がきのこを詰めた籠を背負って現れたので、挨拶をして籠の中を見せてもらいました。車がいなくなって空いたスペースに腰を下ろして遅めの昼食を食べました。Iさんは魚缶詰とおにぎりを、私はここまで既におにぎり3個片づけてしまっていたので、残りのカレーパンを食べました。
芦川に向けた長いダウンヒルを楽しんだ後、再び上がりが始まります。鶯宿(おうじゅく)というここも古い集落に入り、途中の神社で自転車を停めて参拝しました。そこから幹線を外れて集落の中の細い生活道路を辿りました。村の中には山側から傾斜を付けられた水路が通っていて、ところどころ共同の洗い場があります。なかには、川魚を泳がしているところがあり残飯を食べて生きているがいつかは人々の蛋白源として食卓に上がるのではないかと思いました。そこから先も集落の中の坂道をゆっくりと進みます。郵便局とここも昔ながらの商店のある中芦川のメインストリートを通り抜け、注連縄が巻かれた大きな木の横を通り、その先の神社で少し休憩しました。その先、Iさんがいつも休まれるという阿弥陀堂のような建物の縁側は今日は見ただけでパス、最後に兜造りの藁葺屋根民家を訪のうと、中では集落のおばあさんふたり、世間話の真っ最中のようでした。ここからは河口湖へのトンネルを潜るだけなので、先を急ぐ必要はありません。Iさんが、挨拶をして中に入れていただきました。すると、ご丁寧に、「胡瓜とかぶの漬物」、「砂糖をまぶしたトマト」、「種有りぶどう」を振る舞ってくださったので我々も土間に面するなかの縁側に腰かけさせていただき呼ばれたのでした。遅れて、おじいさんもいらっしゃってから、「どこからきたのか」「今日はどこを通ってきたのか」など地元に人たちとの会話を楽しみました(最初、河口湖から来たといったときは合点がいったようですが、本栖湖を下りて八坂峠経由と説明すると、少し驚かれたようです)。頼んで、二階にも通していただきました。急な階段を上るともともいと蚕部屋だったというスペースには、「下駄スケート」や「羽子板」、見慣れない古い暖房器具やおもちゃなどこのあたりに残っていたらしい昔の生活道具が展示されていました。
そんな風に30分ばかりのんびりさせていただいてから、お礼をいってさようならをしました。そこから、少しだけ上がって、最近になって開通したという若彦トンネルを経て河口湖に戻りました。このトンネル、河口湖側よりも芦川の方が標高が高いようで、中を通過するのにほとんど下り道なので今日締めくくりスピードを出してフィナーレを迎えることができました(河口湖の周回道路の手前で、なぜか私の後輪の空気が抜けたので、ゴールまでの数百メートルは自転車を押して進みました)。Iさんは、このトンネルをして、旅から現実に戻るトンネルだといわれるが、抜けてそれまでの素朴農村地帯から河口湖界隈の観光地然といった景色に変わるのを見るとまことにそんな感じがします。車デポ地到着は16時15分、帰りも車載していただき、道志みち経由で戻りましたがまったく混んでなく、渋滞情報が出ている高速道路よりも早く戻れたのではないかと思われます。今回もまた、Iさんに自宅すぐ近くまで送っていただいたのでした。
という訳で、今日は、Iさんにたいへんお世話になりました。お蔭で単独では訪れることのなかった甲州の素朴な農村サイクリングを楽しむことができありがとうございました。今日は80キロほどですが、訪ねた場所を楽しみながらゆっくり巡ると、遠距離を走ったのと変わらない位充実した一日を過ごすことができました。
一人だと、どうしても距離を欲張り気味ですが、仲間と走る時は、短い距離の中に濃厚な時間を求める方が良いです。
ココは周回ルートがうまく取れるし、景色にメリハリがあって良いですね。
こんばんは。Iさんと清水峠に行かれたことを噂してレポート楽しみにしていましたが中止とは残念なことでした。山サイ、Iさんから、一台しか自転車がない場合は泥除けを外してハンドルを取り換えるという方法もあると教えていただきましたが、年をとったいまになるとそれほどの手間暇をかけるのも面倒なこともあり、みなさんのように山サイの領域に踏み込めないでいます。
みなさんと同じく私もひとりで出かけることが多いのですが、今回は久しぶりにふたり旅で時間をかけてゆっくりめぐる楽しさを味わうことができました。三月に一回くらいは仲間と出かけるのもいいなと思いました。
車中でむかしの十日市場の様子を8さんからうかがって、楽しませていただきました。
御坂山塊地域は私も初めてでした。最後、河口湖へのトンネルを潜るまで、「静かな風景が美しく、幻のようなひととき」を過ごすことができました。
自転車ツーリングは、距離の多寡などは大した問題ではないと思いました。
でも心配したほど自転車が汚れなかったので、その後も気分よくツーリングを楽しめました。
例の道祖神、僕のブログへ載せましたので見てください。
湘南の男根はネットで調べると行き当たりますよ。
今回のコース、気に入ってくれたようで嬉しいです。またご一緒しましょう。
先日はありがとうございました。最後の空気抜け、やっぱりスローパンクでした。チューブに小さい穴が開いていたので帰ってパッチ修理しました。
道祖神、ネットに溢れる画像と比べるとのどかなものだと、思いつつもよくみると結構リアルですね。
御坂山塊のあちらとこちら、対照的な風景が印象に残りました。ご近所の縁、またお願いします。