白銀林道・渋沢丘陵
2017年 11月 26日
1.コース
小田原-白銀林道-大観峰-矢倉沢-松田-篠窪-渋沢丘陵-自宅 133キロ
(ルートラボ)https://yahoo.jp/i2tsnk
2.実施日:2017年11月25日(土)晴れ
3.実施者:単独
4.日記
訪れたことのない白銀林道を入れてコースを考えた。
インターネットの記録を見て、白金林道は、随分と道が悪いような印象を持ったが、訪れてみると、それほどでもなかった。入り端の旅館から、ししどの窟まで、地道半分・舗装半分といった感じ、思った以上に舗装されていた。ところで、途中、道幅いっぱいにトラックが止められ、法面の工事をしている場所があったので、いつもそうするとおり、自転車を押して、作業員に目で挨拶してから横をすり抜けることができた。そこの手前くらいから、パーンという音がときどき聞こえていたので、猟をしているのかと思ったが、それは、斜面を安定させるためコールタールか何かを吹き付けている音のようであった。地道は、処々、ぬかるみ、砂利が撒かれて走りにくいところもあるが、もっと状態の悪い道に通り慣れているせいか、「ぜんぜん楽じゃん」と思ったのである。はじめ、たいへんな急坂を、ゆっくり上がっていくとほどなく緩くなり、白銀線の看板のある場所から林道に入る。終着の標高から、そこまで、ずっと一本調子で上がっていくように思っていたが、実際は何度もアップダウンが続いた。そこは、杉林のなかの落ち着いた雰囲気であり、竹林あり、雑木林のなかを通る。ターンパイクと交差してからは、木々越しに午前の光をうけてきらきら輝く相模灘をちらちら見ながら、ゆったり車を進めた。ときどきオフロードバイクが通行していくほかは、他に往来なく木漏れ日の林のなかの静かなサイクリングを楽しむことができる。途中で、公園のような箇所があり展望所もあるようだが止まらずに通過。そこから先、ししどの窟までの距離が遠く感じられたが、山を巻いたところで、水を飲むために停まって、来た方を振り返ると、上まで続く山の木々はいろんな色に紅葉している。さらに上は灌木の平原状に見え、そこから海を見ると屹度すがすがしく感じるであろう。そうしながら、脈絡なく、ハイデカーがいうたという「存在の生起」について考えながら、漕いだのであった。自転車は思索するのにとってもよいツールだと誰かが書いているのを読んだ気がするが、ひとり山奥の林道をサイクリングすると、そのとおりだなあと思う。道はやがて、上がることをやめ、山肌に沿って並行に進むようになった。路面は安定しているので、ギヤを上げ、多少の凸凹も気にすることなくファストランで快適に進むと、ゲートが現れ、巌の入口に到着。テーブルの椅子に腰かけているふたりのオフロードバイカーがこちらを見たので、挨拶した。隧道を抜けると広場になっていて、大勢のバイク乗りの人が憩いのひとときを過ごしている。自転車を停め、おにぎりを食べる。今朝、小田原を出たのが8時10分、到着が12時過ぎなので、結構時間がかかった。予定では箱根湯本手前の駅で降りるはずであったが、倒木があったといって、湯本線が不通となっていた。
しばらく休んでから、椿ラインにつく。オートバイやスポーツカーのモーター音がときおり響いてくるが、上がってくるのは先ほどの広場までで、大観峰まで行く者は多くなさそうだ。いったん東につめて、高いところ西側に折り返すと、湯河原から先、初島や大島まで雄大な景色が広がっていてたいへん気持ちがいい。レーダードーム局の入口を折り返し最後の坂を詰めて上のレストハウスに13時過ぎ着。「お約束」の富士と芦ノ湖の写真を撮ってから、元箱根まで下ったが、行楽日和とて、芦ノ湖の交差点の随分前から信号待ちの車列が連なり、その横をかすめながら下った。湖岸に降りても、関東弁、関西弁、中国語、朝鮮語、ドイツ語の声を聞きながら、混雑しているので自転車を押して移動した。箱根神社から湖岸沿いの側道に入ると人気はなくなり、落ち葉を踏むかさこそする音を聞きながら静かに自転車を進めた。ところどころ赤く紅葉しているもみじの葉っぱが日の光を受けて輝いている。湖上の遊覧船から遠く案内放送が聞こえてくる。湖沿いの小道を中年のご夫婦が会話しながら散歩されている。そっとその横をすり抜けつつ、やがて湖尻に至った。いつものようにここで冷たい飲み物を求めてしばらく休憩。その先、季節なので仙石原の薄を見に行こうかと思ったが、どうせ車で混雑しているからと思い直し、ゴルフ場のなかのハイキング道を進んだ。
金時神社の横の林道は、今日はゲートが開放されていてときどき渋滞回避の車が通っていった。カーブを3度か4度ほど曲がって進むとほどなく金時隧道に到着。そこから、矢倉沢・足柄道を、一度地蔵堂の前で止まったきりで、大雄山まで一気に下ったが、とくに車の来ない足柄道のダウンヒルは最高だ。カーブのところは、アウト・イン・アウトのルートを取り、一直線の下り坂は、スキーの直滑降の五郎丸スタイルで飛ばした。スピードにびびって、へっぴり腰になるのが、落車・事故の元になる。
さて、松田に移動した後、篠窪の「峠」への上りにつく。この時間になっても、みかん畑越しに、雪をまとった富士が消えずに見ることができた。上のトンネルを越えて、途中から車道を離れて丘陵の小道を行く予定であったが、時間が押しているのでそのまま進んだ。震生湖の手前のところで、林のなかの細道に入る。押して上がると、高台から遠く江の島まで見通すことができる。丁度いま、江の島の灯台の灯りが点滅しだしたようだ。牛舎のホルスタインは一頭きりでどこかもの寂しそう。湖に降りて、もみじの写真を撮ってから、暗くなり始めた丘陵から秦野の街並みを望む。丹沢の山々を背に、街の灯りがつき始めた家やビルディングが宝石箱の宝石のように散らばっている。丘陵からのロマンチックな景色を見ることが今日の楽しみのひとつであった。しかし、近くに駐車している車のカップルがそろって煙草を吸い始めたのを機に、ここを離れ、しばらく丘陵地帯を漕いでから下に降りた。
246を東に、只管漕いだが、どこも渋滞して車の横をすり抜けながら走らなくてはならない。これだと自転車のほうがよほど早いのではないかと思いながら、下手な運転に巻き込まれないよう注意しながら帰路を急ぐ。帰宅19時10分。自転車の掃除・洗濯・風呂の後、焼酎を晩酌にビーフシチュゥをいただく。歯磨きしてから、長椅子に寝っ転がって寛いでいるといつものように睡魔に落ちたようだ。夜中、そのことに気が付いて布団に移動したのであった。
それこそ20年程前に、箱根旧街道を押しと担ぎで上り詰めて、下りルートで白銀林道を使いましたが砂利っぽい路で走りにくかった記憶がありますが、今はそれほど荒れてはいないようですね。
白銀林道では、ロードの方はもちろん、MTBの方ともすれ違うことはなかったです。マウンテンバイクもブームが完全に終わった感じでしょうか。ネットでは、砂利っぽかったり、ぬかるんでいると書いていましたので、道は悪いのかなあと思って出かけましたが、ランドナーのタイヤでも無理なく走行できました。最初坂が急なところを我慢すると、あとはししどの巌まで適度なアップダウンで、楽しいサイクリングができました。
色づきは標高や南北の差だけでなく、日当たりが良いか悪いかの差も大きく影響するようですね。
白銀林道は昔のNC誌の記事で読んだきりで行ったことはありません。いつか行こうとは思っているんですが…
浦安峠の写真を拝見しましたが、砂地の独特な峠路の雰囲気との印象を受け、行ってみたいなあと思いました。いまの季節、どうしても紅葉に目が行きがちですが、冬を前にした里山や落葉の峠路をテーマにサイクリングするのもありだと思います。白銀林道に行かれるのでしたら、声をかけてください。小田原を拠点によいコースが組めるのではないかと思います。