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房総縦断横断林道17#4

1.コース

姉ヶ崎-丹原林道-音信山林道-万田野林道-大福山林道-天津林道-天津-鴨川-嶺岡林道-安房勝山-金谷港 108.4キロ

(ルート)https://ridewithgps.com/routes/30485325

2.実施日:2017年12月10日(日)晴れのち曇り

3.同行者:Tさん

4.企画:FCYCLE

http://mixi.jp/view_event.pl?comm_id=6145474&id=84665559&comment_count=5

.日記

 山深いところで、独り自転車を漕ぐことは、思索するのによい環境だと前に書いたが、一方、体調もよく晴朗ななか、手応えのあるコースを複数の人数でサイクリングすることもまた、自己を解放することだと実感した。とりとめもないおしゃべりをしながら山道を漕ぐと、つらい坂も苦にならずいつのまにか通過してしまう。そのためには、青空と清浄な空気と、走るのに暑すぎず寒すぎでない適度な気温と、滅多に車の来ない環境と、自然ないし自然と調和した人の営みのある風景が必要だろう。それらの条件のいくつかを満たした今日のランは、自ずと楽しかったが、それだけでなく、累計2,000mに近い獲得標高のコースを走り終えた後の心地よい疲労感と充実感を味わうことができたのであった。仲間や自然と対話するにおいて、自転車は最適のツールのひとつであることは間違いないであろう。

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 姉ヶ崎駅集合時間8時10分には、もう少し遅く出ても間に合うが、早く目が覚め、N駅始発となった。端の席に座ってぼんやりしていると、正面にチアリーディング部のような恰好をしたひっつめ髪の若い女が座った。それほど悪くない器量を失礼にならないようちらちら見ていたまではよかったが、鈍行とて扉の開閉が多くそのたびに冷たい空気が入り、冷えたお腹が急に痛くなった。東西線乗換の九段下駅までなんとか我慢、駅に着いてから慌てて降りたも途端、網棚のヘルメットを忘れたことに気づき車内に戻ろうとしたが遅く行ってしまった。少し遠くにある厠に走って飛び込む。用を足してから、半蔵門線の改札で詳しく状況を告げると、押上で車内捜索してくださるという。そういう訳で押上に向かったが、聞くと見つからずその先の北千住駅で確保したとのこと。なので、今日引き取ることはあきらめて、姉ヶ崎に向かった。乗換案内では集合時間8時10分に間に合わないとでたが、重たい輪行袋を持って錦糸町構内を急いだところ8時01分着の君津行になんとか間に合った。

 駅前のバス乗り場に降りると、すでにTさんが到着されていた。これまでの顛末や、この間のサイクリングのこと、仕事での出張のことなどを話ししながら組立てた。駅前にあるコンビニで行動食のおにぎりを3つ購入、朝食は先の車内でパンを食べたが、これからの走りに備え卵パンとコーヒーをいただく。出発8時40分と少し遅め。サイクリングはひと月前の会津以来という割には快調なTさんのスピードは速く、うっかりしていると置いていかれるので必死についていく。端から幹線を通らず、住宅や畑や裏山の道をつないで快調に進行。ダチョウ広場のあたりまでくると君津の奥にありがちな牧歌的な農村風景が展開した。泥だらけの荒れた私道の坂を押した先にある山羊のいる牧草の淡い緑が朝の陽の光に照らされてきらきら光っている。その先、杉林のなかの高台の細道のアップダウンをつないで徐々に高度をあげていくが、まわりの景観が変化することに加え、この間行ったサイクリングコースのこと、高地ネットにあるM林道K峠のこと、北海道ツアーのことなどの話をしながら進んで飽きることはない。縦断林道の前半のパートの終わりである集落に降りていつものように休憩。ここで吠える民家の犬はもうやる気がなさそう。自販機の置いている家でTさんがその家の人と定番の会話(どこから来たのか、どこに行くのか・・)している。その間、Tさんの自転車をじろじろ観察した。

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 お互いおじさんらしく病気予防の健康診断の話題など会話してから出発した。はじめ坂を上がるが、これまでと同じようにアップダウンを繰り返すようになる。木々の間からの木漏れ日が射しているところが美しい。尾根筋の高台を通るようになって、前回見ることができた東京湾越しの富士は今日は見えなかったが、東西どちらにも広がる房総の森がとても広く気持ちが好い。大福山に近づくと道は民家の間を通るようになる。そこのカーブに植えられた赤い椿がきれい。そこを通るTさんもにっこり笑っていらっしゃる。そういえばこれまでもところどころこの赤い花が咲いていたが、薄の野原もあり、秋の終わり・冬の始まりを感じさせたのであった。道は地道となっても締まっていて変わらず走りやすい。産廃場から異臭が漂ってくることはこのコースの残念なところだ。車道に合流しいくつかのトンネルを潜ってぐんぐん下る。下の集落のなかの車道を少し上がり返して、自販機のある公民館のある場所で再び休憩。冷えた飲み物と持参したおにぎりがおいしいが、京都(丹後半島、美山、芦生、朽木)を中心とした関西地方ツアーの話題(むかし話、最近の話)も、興味深くおもしろい。

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 再開後、車道に出ると集団もしくは単独のロードバイカ―と出会い、挨拶を交わした。麻綿原高原から派生する尾根に出る坂は急だが、距離は短め、2度か3度ほど折り返すと、すぐに到着した。そこからも、しばらくめいめいで自転車を進めたが、今日のコースで一番好きなところはこの辺り、演習林として保護されているせいか、遠くまで重畳と続く森は広く深く、その先に目には見えぬ太平洋が控えていることを予感させる気配だ。木々の間からそれらの眺望を楽しんだが、林道沿いの木々の様もまた変化に富み多用な樹木が生えている。赤く紅葉した紅葉や背の高い松。温暖な気候のためか、南洋性植物のツガなども生えているところが房総らしい。そんな風に楽しみながら、細い道を右に左にカーブを曲り緩い坂を詰めていった。そうしてお寺の上に到着、ふたり揃ってから天津へ向けて下った。

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 途中、通行困難な場所があったが、安全を確認してから自転車を担いで突破することができた。山のなかを抜けると、向こうのほうに海が見えて、走り甲斐のある縦断林道を走り切ったことが実感される。海沿いに入ると、向かい風となったが、ペースは落とさず鴨川まで進んだ。それまで山がちのコースから、印象の異なる海辺・漁港の雰囲気を楽しみつついつものコンビニで休憩。軒先に座って、食事しながら、郷台林道のことを教えていただく。14時前再開。所用のためTさんは鴨川駅から輪行でお別れ。ここからひとり嶺岡林道(横断林道)に取りついた。

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 パラグライダーの離陸場まで、一直線上りが続く。比較的ハイペースのこれまでの行程でもう足がないのではないかと心配したが、それほどでもなく、ギヤを軽くしてくるくる回していると遅くても着実に高度を稼ぐことができる。振り返ると鴨川太海がもうずいぶん下の方に見えるようになった。時間が押しているので、パラグライダー場で長居せず写真を撮ったらすぐに出発、もう少し上がってからいったん下って、次の林道・駐屯地に続く坂道に入ろうとすると、番をしている自衛隊員から「大型車両が通過することがあるので気を付けて」といわれた(今日は基地が開放されイベントか何かやっていたようだ)。ここでも1枚か2枚余裕を持たせて高度を稼ぐと、思ったより早くピークを通過することができた。残りの林道は2本だが、鴨川から進む嶺岡林道はここまで来ると後は楽だとわかっている(途中、ポツポツと雨がきたが、その程度で終わったのはよかった)。長狭の村とその先北の方に午前来た房総の森が続いている。そして、それらが、傾きつつある夕日を受けて、橙色に輝いている。水仙畑がある。おじいさんが犬を連れて散歩している。最後の林道は少し上っただけであとは軽いアップダウン。ここは雑木林が中心で、葉の色の変化を楽しみながら自転車を進めた。広葉樹の下には落ち葉が深く積もっている。その先ピラミッド型の伊予ヶ岳が見える。最後、岩井海岸を望む展望台から丹沢に沈みつつある夕日の景色を楽しんでから、勝山に下り、そこから強い風に抗って時速30キロのファストランで浜金谷港に進んだ。

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 港到着16時50分。久里浜からのしらはま丸がいま到着するところであったが、出航は17時20分のよう。床に広げた輪行袋が風で飛ばされそうになるのを押さえつけながらパッキングして徒歩乗船。温い船内でスナックとおーいお茶のペットボトルを買って、まったり寛ぎながらFCYCLEに帰着報告を入れた。湾内とはいえ今日は波が高く、いつもより船が揺れたけど運行中止にならなくて良かった。久里浜港から輪行袋を持ってバスに乗ったが、ハイシーズンに比べると乗客は少ない印象だ。

 そういう訳で、今日は、いつもよりもさらに楽しいサイクリングの一日を過ごすことができた。心もからだもリフレッシュできて、明日からの仕事に向けた活力にもなる。


by paparouh | 2017-12-12 23:44 | 千葉県南部 | Comments(0)

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