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小村峠・桜坂峠・小豆峠(猛暑の頸城の夏18)

1.コース

安塚須川-虫川大杉-小麦平-尾神-小村峠-中山峠-桜坂峠-ほくほく大島-小豆峠(星峠)-木和田-犠明峠トンネル-ほくほく大島 81キロ

(ルート)https://ridewithgps.com/routes/30473324

2.実施日:2018年7月16日(月)晴れ

3.実施者:単独

4.企画:FCYCLE

http://mixi.jp/view_event.pl?comm_id=6145474&id=86447582&comment_count=17

5.日記

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 前夜早寝した分、日が昇ると同時に目が覚めたと思う。Tさんも起きて布団の上に胡坐をかいている。7時の朝食まで時間があるので、挨拶してから、朝の散歩に出かけた。爽やかな高原の朝の小鳥の囀り。東の空は薄曇りだが、隙間から太陽が覗いている。頸城に来て思うのは、家々の佇まいがこちらとだいぶ違うということだ。雪国であるゆえ、軒が高いのはわかるが、木造の家屋が多いのはどうしてなのだろう。たとえば、同じ豪雪地帯でも、北海道は家屋の密閉性の高いモルタル造りがほとんどだ。このため、暖房が効いて室内は冬でも温かいくらいだというが、木造だと隙間があり寒気が室内に入らないのであろうか。いやきっと断熱材が使われているのだろう。それとも、古い家屋が建て替えられずにそのまま引き継がれているのだろうか。だが、その割には、比較的新しいと思われる家屋も同じく木造で、下の方の窓枠に雪の圧迫を避けるための板が渡してあったりする。典型的な家屋はそんな風で、それに庭の池があり立派な鯉が泳いでいたりするのは角栄氏来のことなのであろうか。当時土建政治家と批判されたが、今日では日中友好の井戸を掘った人として大平正芳とともに記憶されている。さらに周囲は立派な三本杉が植えられていることが多い。家の敷地面積は東京の普通の家と比べて格段に広く、それが周囲の景観と自然に調和しているように見える。あのような広く立派な木の家で暮らすのはさぞ楽しいことであろうと、兎小屋のわが家を思ってみる。しかし都会くんだりからたまに来たツーリストがちらっと見ただけでは何もわからない、過疎や、厳しい自然や、交通不便で娯楽が少ないことなど考えて欲しいとこちらの人はいうであろう。そんなことを思いつつ、村のなかをぶらぶらしばらく歩いて宿舎に戻る。早朝、田んぼで仕事をしている人がぽつぽついた。

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7時より少し早く朝食をいただき(特に田舎味噌風味の味噌汁がおいしかった)、会計、8時前に虫川大杉駅に向けて出発した。出発する前に、荷物がたくさんのTさんの自転車を持たせていただいたが、特別なカメラ器材を持参されたとのことで、ハンドルが重いこと。あんな重くてよく信越の林道や峠道を通ることができるなと思ったが、よいカメラを持てばそれで良い景色を摂りたいと思うのは欲望のなせる業とTさんにいうた。そういう欲求の広がりが社会や技術の進歩につながっていくのだと思うがいまの若い人たちが、かつてのようにがつがつしていないのは、諸外国と比べてイノベーションが不足していることの裏返しなのかもしれぬ。

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 さて、長いダウンヒルのスピードを楽しみたくて、道の駅まで先行させていただく。カーブの手前以外はノーブレーキで滑降するのは最高に楽しい。合流してしばらく漕いだが、裏道を行かれるらしいTさんとは途中でお別れ(彼は、駅で輪行、今日は県内にあるお墓参りに)、わたしは駅の向こう側の国道にまわって、名木山の標識に従って左折して細道に入る。入口の小学校は廃校で、二宮尊徳も寂しげだ。そういえばこの先の尾神の宿泊施設(スカイトピア)も元小学校だし、今日はもう一か所廃校を見かけた。熊谷川に沿った道は、ほどなく幅員が狭くなり、小麦平までじわじわと高度を上げていく。まだ10時前だが、日向だと直射日光がきつく昨日ほどではないが今日も暑い暑い。道を折り返すところで、手前の丘の向こうに、どっしりとした山容の尾神岳を認めた。いったん下ってもすぐに上りが再開、足元の尾神集落まで日陰のないたいへん急な坂道を、30T×26Tの最小ギヤでも呻吟しつつ上がった。そこにあるバス停で少し休憩してから、さらに急さを増した林道のつづら折りを詰めパラグライダーの詰所に至る。そこには何人かのおじさんパイロットが屯して今日のフライトについて会談している様子。話ぶりから、地元の人でなく関東の人たちのようだ。そこで早くも自販機休憩で水分を補給してから、今日はそれ以上尾神岳林道に進まず、北に転じ山の西の裾野にある大出口の林道に出た。すると、北東に広々と高田平野が望め、その先、日本海の水平線が広がっている。途中の水場でも甘露な水を飲んでからしばらく親水公園の明るく気持ちのよい道を北上。やがてじぐざぐ下り、柿崎川ダムの上流の道に合流した。

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 ここから、小村峠までは、山の間の草地に挟まれた道。草が生い茂っているせいか蒸し暑さが増すのを我慢しつつじわじわ進むと、山の切れ目が見えて峠が近いことがわかる。峠到着は11時02分。知っているはずなのに、日本海側に広がる柏崎の眺望を現実に目の当たりにしてひとり「わあーっ」と声をあげた。峠の上は、先の米山に上がる登山口になっていて上がってみたが、残念ながら景色はところどころ木々に遮られていた。そこにお地蔵さんが祭られていたので参拝して峠に戻り、自転車にまたがって徐にダウンヒル開始。それにしてもお腹が空いたな。今日は行動食を持参していないので、まだお昼前だが、下りた集落のなかに万屋かラーメン屋がないかと物色しながら漕いだ。しかし、あるのは広い田んぼと民家と神社と小学校くらい。国道353に合流して南に転じたが、食べ物を得られそうな店はなく、仕方なくしばらく淡々漕いで、途中のバス停の小屋で休憩した。ここは集落の方の新聞の配布所になっているようで、朝日・読売・毎日新聞に新潟日報がそれぞれの木枠に収められていたが、さすがに日経はないようだ。

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 緩い坂の中山峠はいつのまにか超えたよう。駒之間の分岐で、国道に別れ、桜坂峠の道につく。その前に、また水場を発見したので、停めて、冷たい水で喉を潤した。峠へは、はじめ2車線だが途中から集落がなくなり1~1.5車線の細道となる。道はしばらく谷間にそって右往左往したが坂は急でなくまだ足に余裕がある。それにしてもここも草深く緑濃く、左右山に挟まれた狭い地形から、冬はさぞ雪が溜まりやすいことであろうと想像しながら進んだ。車の往来は滅多にない。暑いが、日陰もある、ヒルクライムするのに楽しく狭い左岸の道。草に覆われた谷からほのかに冷気が漂ってくる。その谷間もつきたと思うとすぐに切通しの峠に到着。ここを訪れたのは2度目のこと、記念撮影をしてすぐに下りにつくと、先ほどまでと比べこちら側は開けていて、北東の方角にさっき裾野を通った尾神岳が目に入る。

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折角、峠を越して下りに入ったのに、すぐに分岐となりしばらく上りとなり、がっかりする。でもすぐに上がってしまって、あとは板山を経て国道253号まで楽しい下りが続いた。板山には岩棚に不動さんが祭られたところがあるはずだが、見逃してどんどん降りてしまった。そのまま国道に突き当たらず、橋の手前左折して右岸につけられた細い日陰の道を下る。川辺の茂みから例によってヨシキリの鳴き声が頻りと聞こえてくる。物陰で用(小)を足してから、国道に合流。この先でようやくスーパーを発見してたいへんうれしい。この時間、客は自分だけ。コンビニのような便利な惣菜は売っていないが、日持ちのするカレーパンとソーセージパンに牛乳を買って、隣のコミセンの日陰の地べたに座って空腹を満たした。

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いまの時間13時30分前。たいへん暑くて、今日はもう切り上げようかとの思いもよぎったが、棚田を見ないで帰ると悔いが残ると思い、ほくほく大島駅を通過する。保倉川に沿ってしばらく南下したが、この道も日向のかんかん照りで、ぼあーっとする暑い空気の漂うなか、我慢して自転車を漕いだ。国道403号に合流して坂となったが、その先通行止め、看板に誘導されるまま山の中の細道を峠集落に向けて進んだ。だがこの道は上まで12~15%くらいの急坂が連続して、午後のきつい日向かつメマトイも多く苦労が絶えない。何度か足をついて汗を拭いながら、道幅をじぐざぐしつつ上がって、最後直線上りを行きついた先が小豆峠。前回ここの星峠を訪れたときは、初手から棚田のなかを上がったが、今日はここまで山の中を通ったので、峠から東に突如広がった棚田の緑の景観がすばらしく、またひとり歓声をあげてしまった。星峠へはここから目と鼻の先の距離だが、もう上り下りはいやだし、ここからの景色に満足したので、進まず。しばらく日陰の地面に座って、暑さを冷ました。その後、前回訪れたときと同じように、棚田の北の縁につながる細道のアップダウンを辿って、木和田集落に入る。ここの何軒かの木造の家屋の一軒は、なかの灯りがともり、子どもたちの元気な声が聞こえてきた。

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予定では、ここから松代まで進むつもりでいたが、暑いなかこれ以上一切坂を上がりたくなく、前回訪のうたとき犠明峠トンネルから大島まで下り一方なことを覚えているので、躊躇なくそちらを選択した。昨日の十二峠トンネルと同じ、今日も長く涼しいトンネルが火照った体にありがたい。さっき寄ったスーパーに再び寄って、今度はアイスチョコモナカとスポーツ飲料を買って体を冷やした。ほくほく大島駅着15時前。電波の弱いせいかスマホの動きが鈍いため、次のダイヤを見るため、エレベーターで高架上の待合室に上がって時刻表を見ると、38分発六日町行きとのことで十分余裕がある。なので、ここでも汗に集ってくる小虫を手で払いつつ粛々と組立て、駅の便所で手と顔を洗ってから、冷房の効いていない待合室を避けて風通しのよいホームに移動して電車が来るのを待った。六日町で上越線に乗換え、越後湯沢で20分ほど待って、東京行各駅スーパーマックスに乗車した。今日は久しぶりに指定を求めたが、空いていたので自由席でもよかったな。東京駅ホームで降りると、19時前にもかかわらず、まだぼあっと暑い。こちらは、冷房の排出による余熱や地面・周囲がコンクリートによる照り返しの暑さのようだが、2日間最後まで暑気に苦しめられたツアーであった。でも、こうして終わってみると強烈な炎天下の夏のツーリングは、顔の日焼けとともに楽しい思い出となって、いつまでも心に残ることだろう。夏は、やっぱりいいなあ!Tさんありがとうございました。

さて、「さわ」で、まだ訪れたことのないところでよさげなところをTさんに伺ったところ、近場では林道広河原逆川線、大名栗林道、少し遠いところで朝日スーパー林道(釣り吉三平の朝日屋旅館泊)を推していただいた。田代山林道、神坂峠、本名津川林道などとともに、日程と予算の都合をつけながら、順次実現していければと思う。ゆくゆくはヨーロッパ。栗原川林道にも久しぶりに行きたい。


 

Commented by ぶとぼそ at 2018-07-21 14:26 x
お疲れさまでした。
去年の雨中サイクリングの日記も覚えていますが、今回は灼熱の太陽が難敵となったようですね。
この界隈にも親戚が居ますので、雪国らしい家屋が懐かしく感じます。
日中は暑くとも朝晩は涼しくなる地域ですが、今夏の暑さは次元が違いますよね(汗)。
Commented by paparouh at 2018-07-21 16:45
> ぶとぼそさん
とても暑かったのですが、終わってみると楽しい思い出だけが残ります。真夏になるのが早すぎですが、例年この時期は梅雨が終わる変わらないかなので、サイクリストにとっては走る機会がふえてよかったのではないでしょうか。災害にあわれた中四国の方々には申し訳ないのですが。何もできませんが募金だけしました。
by paparouh | 2018-07-19 23:00 | 新潟県上越 | Comments(2)

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