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夏の栗原川林道

1.コース

老神温泉-追貝-栗原川林道-根利-水沼-大間々-桐生 83キロ

(ルート)https://ridewithgps.com/routes/30473322

2.実施日:2018年8月4日(土)晴れ

3.実施者:単独

4.日記

 8時前に沼田駅に到着した水上行を降りると、もう駅前に鳩待峠行バスが待機していた。車内は、登山者は少ないが、土曜通学の生徒さんで混雑していたが、彼らの半分くらいは河岸段丘を上がったひと駅目で下車し、残りは沼田高校のバス停で降りていった。沼田の街中はお祭り期間中のよう、家々の軒先にしめ縄が飾られている。ディーゼルバスはそれら街中を迂回して進んだ。椎坂峠のトンネルをくぐり、老神温泉で下車。組み立て、観光施設の厠で水を汲み、展示している大蛇に旅の安全を祈願してからスタート。国道に合流したところにあるコンビニで行動食を買って、前でパンを食べていると、おばあさまが「暑いのにたいへんね、どこからいらしたの?」と声をかけてきた。

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 栗原川林道は、プロフィールマップのとおり、追貝からだと距離が長いが坂が緩め。根利からはその逆。サイクリングコースの取り方は、急でも短い方から上がり、長い下り坂を楽しむのがよいというが、ダートの急坂は思った以上にがれたところもあって踏み込んで空転、タイヤをとられる場面もあり舗装路のような調子とはいかず、交通の便を考えても、追貝から上がるのが妥当だと思う。でも、根利に宿屋が2軒ほどあり、前泊して早立ちするのであれば老神と比べ俗化していないこちらのほうが静かな夜を過ごすことができてよいかもしれぬ。かつて訪れたときのこの林道は、ダートとはいえ、落ち着いた路面との印象があり、地道下りが苦手でも楽しめると思ってきたが、あらためて通行してみると、根利への下りは結構荒れていて、効かないカンチブレーキを効かせるため下ハンを握り続けなくてはならなかった。このため、脚は疲れないのに、腰がしんどく、ギドネットレバーか、カンチでもいまの普及品でなくもっと制動力のあるよいものに変えれば、もっと距離を延ばすことができるのになあと思いつつ下った。

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タイヤは前後ともゴムサイドだがこれで正解、スキンサイドだと場合により、山のなか尖った石くれで、サイドカットパンクするリスクが高くなる。パンク防止のため、乗り心地は犠牲にしても空気圧は高めのほうが望ましい。その点、最近流行っているというグラベルロードだとパンクの心配はそれほどないだろうが、ロード並みの細いタイヤだと急坂のダートのグリップ力はどうなのであろうか。そういえば、北の方角に皇海山の台形の山並みを望むことができるピークにいらっしゃったレジェンドなマウンテンバイカーに、下り坂で抜かれたが、制動と振動に苦しむ俺とは対照的にすいすいと進むMTBはさすが専門に特化したことだけのことがある、楽しそうな車だなと羨ましく思った。

 そういう訳で、3度目の今日も追貝から上がった。集落のなかを抜け、高台の広いところのたばこ畑とトウモロコシ畑を抜け、林道についた(この時点で、念のため熊鈴をつけた)。しばらく舗装が続き、坂も緩め、秋のセミ(?)の声が響く森影のなかの道を楽しく漕ぐ。老神温泉でバスを降りた時点で、ここ連日の猛暑を感じず、今日はよい感じだ。やがてダートとなるがまだ等高線に沿って山を巻いていったが、いつのまにかという感じでじわじわと勾配が増してくる。右岸のずっと下のほうの谷筋から水音が響いてくる場所もあり、木が生えているのでわからないが、相当の断崖に道がつけられていることがわかる。ガードレールのない、交換が難しい1~1.5車線の勾配はますますきつくなり、岩くずに埋められている箇所も随所にあるが、路面にタイヤを逆らわないようにして、前ミドルのまま我慢して漕ぎ続けると、やがて途中の素堀りの隧道に到着したので休憩。おにぎりを食べて一休みした。畑を抜けた林道の取りつきの780メートルを出たのが10時02分、1150メートルのいまが11時30分。これまで2台ほど自動車と行き違ったが、険路を運転するのもさぞ大変であろう。

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 ここから先は、皇海山の登山口である1400メートル地点まで、それまできつかった坂も緩んだので、少しペースをあげ、頑丈なゴムサイドを信頼して路上の凹凸を気にしないでがしがし漕いで進んだ。前衛の山並みの向こうに皇海山が顔を出す地点に到達すると、木々も落葉樹からカラ松の類に変わり、山に囲まれたところの開けた景色にはもう赤トンボが飛んでいる。この「天狗の庭」的な雰囲気のなか再び等高線上を水平に山肌を巻き、林道を横切る沢(水場)を何か所か過ぎると登山者の車が止められた登山口に到着(12時27分)。日陰に座って、魚肉ソーセージをおかずに再びおにぎりをひとつ食べたのはよいが、汗の臭いにさそわれて、アブかブヨかが集ってきて、首筋や足もとにとまって刺してきやがったので、叫び声をあげて退散、橋を対岸に渡ってから、早々に再開した。これまでの途中で、いつものメマトイが出た時点で横着せずわざわざ持ってきた虫除けスプレーを塗ればよかった。

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 さて、ここまでくればもう大きな上がりはないであろうと油断しがち。それもいったんこの林道の最高地点である1500メートル地点を過ぎてしまうとあとは下るだけと思うが、プロフィールマップ上だと、全体の標高差に隠れて気が付きにくいものの、実際は意に反して暫く細かいアップダウンが続くので注意が必要だ。ひとつひとつの上り返しは、それほどではないが、ところどころ思った以上にがれた箇所もあり、ここでも上がりの箇所でしばしばスリップしてタイヤをとられた。今日は、このあとの夏のツーリングに備えて新調したフレームバッグを装着して荷物を分散させたのはよいが、空きスペースの広くなったフロントバッグ代わりに使っている輪行袋の外袋のキャリアへの装着がかえって不安定となり、振動でキャリアからずれるのを何度も修正しながら進んだ。長めの坂を上って最後のピークに到達。レジェンドマウンテンバイカーに挨拶して、木々の切れ目からのぞいた皇海山の写真を撮影したあと、長い下りについたが、予想以上に荒れていたことは先のとおり。万能なランドナーだが、ダートの下りだけはハンデを感じるなあ。そういう訳で、下ハンの握り続けたことによる腰の疲労感から、当初予定していた小中新地林道への転戦は止め、根利から素直に県道を大間々に向かった。

 根利へ、長い下りをがたがたいわせながら進んで、一度大きく折り返したところで渓流に面した右岸の道となる。谷筋にはナメも滝もあり、ひんやりした冷気が漂ってきてほてった体に気持ちがよいが、ところにより崖の路肩が崩れている箇所もあり、下に見とれて転落しないよう注意しながら進む。やがて例の獣除けゲートに到着したが、門がうまく開かず少し焦った。熊鈴を外して、根利の集落到着は15時。ずいぶん前に水筒は空になっていたので、集落のなかの古びた自販機で購入した飲料で喉を潤しほっとした。そのあと、県道を南方に進み、村境まで上がってから、水沼まで長いダウンヒルを楽しむ。途中遅い車につかえたが、道路工事の片道写真規制の信号待ちのところで前に進んで、青信号に代わってからはもともと交通量も少なく遮るものもなし。勾配8~10%の広めの車道のスーパースラロームを楽しんだ。

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 水沼からは、渡良瀬川を渡り、左岸の県道を初めて通行したが、車の往来の多い銅山街道と違って、1.5車線の日陰の舗装のプロムナードが続き快適であった。ずっと前この道を通ろうとしたときに工事中で通行できなかったので以降国道を通るようになったが、こんなよい道であることはもっと早く気がつくべきであった。高津戸峡は、今日はパス。再び渡良瀬川を渡ろうとすると、たくさんの人たちが橋の歩道にたって空を見上げているのは、6機ほどのブルーインパルスの曲芸飛行が披露されているからのようだが、記事にするのは地元紙とサンケー新聞くらい。新桐生駅近くにコンビニ到着は17時前。スマホで両毛号の時刻を確認すると17時10分の次は18時09分。なので、車内で食べるおやつと、買ったソフトクリームを舐めながら徒歩で駅に移動。夏の夕方らしい涼しさを感じる。駅前広場の看板の裏側の壁に自転車を立てかけてパッキングしたが、後からきた煙草親父の煙が臭い。便所で手と顔を洗い、冷房の効いた待合室で麦茶を飲んでくつろいでいると、夏休みらしく里帰りの親子連れや浴衣姿のカップルがたくさんやってきた。今日は沼田の夏祭りであったし、帰りの車内から、足利の渡良瀬川の堤防沿いにたくさんの人で賑わっているのが見えた。みんな堤の席を確保している様子なのできっと花火大会が開かれるのであろう。続いて、広々とした北関東の小麦畑を車窓に見ながら過ごすうち、眠気がきてしばらく居眠りをした。北千住乗換・半蔵門線経由・長津田帰着21時過ぎ。


Commented by ぶとぼそ at 2018-08-08 10:00 x
これは良いコースですね。全くノーマークでした。
日陰も多い林道は涼しげに見えますが、暑かったでしょうね。水場があれば頭から水被りたいように思います(苦笑)。
前夜泊でなく、新幹線利用でしょうか!?
8時前に沼田着は厳しそうですが、この付近まで日帰り出来るとは便利になったものです。
Commented by paparouh at 2018-08-09 06:31
> ぶとぼそさん
栗原川林道を訪れるのは、3度目になります。前の2回は、猿に会いましたが、今回はいなかったようです。がけで動物が逃げる音は聞きましたが、熊には幸い遭遇していません。関東内陸部で暑さを覚悟していきましたが、山のなかのせいで、それほどでもなく、木蔭で快適でした。林道の上のほうに何か所か水場がありますが、浴びるほどではなかったです。長津田から東京駅新幹線利用で6000円ほど、対して、桐生から北千住まで東武特急の特急券は820円です。新幹線はとても便利だが、リニアなんぞやめて運賃還元してほしいなあと思います。
Commented by INTER8 at 2018-08-09 12:53 x
こんにちは。
緑の濃いダート林道ですね。秋の紅葉シーズンに逆コースで行きたくなりました (^^)
ゲートは鍵は掛けられていないんですか? 鍵が掛かっていた場合は端から入ることはできるのでしょうか。
Commented by paparouh at 2018-08-10 07:02
> INTER8さん
おはようございます。この林道は通行禁止ではありません。ゲートは動物除けのためのもので、鍵はかかっていません。鍵穴を通しているレールを外すと扉が開きます。根利から行くのもよいですが、アプローチに車を使うのでしたら老神温泉にデポして帰りにひと風呂浴びるという法もありますよね。
Commented by INTER8 at 2018-11-04 18:09 x
逆こーで走ってきました
紅葉バッチリ、超長いダートは走りごたえありました
しばらくダートはいいです (^^;)
Commented by paparouh at 2018-11-05 21:14
> INTER8さん
珍しく、更新されないので、どうされたのかと思っていました。このコースは、パスハンターで行かれたことでしょう。
紅葉はばっちりでよかったてすね。わたしは、この週末は出かけずしまいでした。次の週末は安部峠に行くつもりでです。
Commented by INTER8 at 2018-11-06 13:02 x
安倍峠も紅葉バッチリでしょうね! どちら側から上るんですか?
以前車載で行った時は確か一日で160kmくらいになって、後半の富士から静岡まで戻るのがキツかったです。100kmくらいにおさめられれば僕も行きたいところなんですけどね。
レポート楽しみにしています。
あ、先週は歩きで西沢渓谷へ行っていました。自転車じゃないし面倒くさくなって日記アップしませんでした (^^;
Commented by paparouh at 2018-11-06 21:09
> INTER8さん
明日、休暇をとって、静岡駅から行くつもりです。寝坊しなければよいのですが。新幹線だと旅費がかさみますが、静岡駅を7時30分くらいに出ることができるところがメリットです。身延に降りたあと、本栖みちをあがってから、その先、そのときの時間と体力でどうするか決めるつもりでいます。念願の安部峠でとても楽しみにしています。
西沢渓谷ですか。だいぶ前(いま中3の息子が幼稚園のころ)になりますが、わたしも行ったことがありますよ。渓谷沿いに遊歩道ができてここも紅葉がとてもきれいなところですよね。
by paparouh | 2018-08-05 23:18 | 群馬県北部 | Comments(8)

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