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鳥居地峠・三国峠・足柄峠

1.コース

自宅-秋山-雛鶴トンネル-都留-富士吉田-鳥居地峠-山中湖-三国峠-小山-足柄峠-松田-自宅 190キロ

(ルート)https://connect.garmin.com/modern/activity/4854313393

2.実施日:2020年4月29日(水)晴れ

3.実施者:単独

4.日記

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 人から、“Stay home”といわれれば、命令形なので、「家にいろ」という意味だろう。いち市民として、そのような言われ方をされる筋合いはないが、感染拡大予防は重要なことなので、混雑する場所を避け、人との会話もしないサイクリングをと思って、出かけてきたのであった(いつものことではあるが)。

5時30分自宅発。都留までの道は、この前走ってきたが、雛鶴トンネルまで農村集落の間をゆっくり上がっていくところが気に入っている。道志みちみたいに、モーター音の大きなオートバイも少ないところも。

 城山ダムを過ぎ、三ケ木までの1キロくらいの上りで今日の調子を占う。今朝は、朝の定例一大事を無事済ますことができて、すっきり、快調のようだ。といいつつ、横を無言でロードバイカーに抜かれる。しかし今日は追いすがるようなことはしない。後ろについて、飛沫を受けるリスクは回避しなくてはいけない。

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 ピクニックランドのところを左折。せっかくの行楽日和だが、ここの遊園地もお休みのようだ。鼠坂の朝日に輝く明るい台地を振り返る。昨年の台風19号の爪痕を横に見て、杉林のなかをゆっくりと上がっていった。ピークを過ぎて下がったところの路肩に停められた車。主らしい若い男がこちらを見て右手を上げたので、「かかわりたくないな」と思いつつ停車すると、「いや大丈夫です」とのことであった(何の合図かは、謎のまま)。
 牧野の急坂で雄鶏の勇ましい鬨の声を聞く。煙突から煙があがっているのは、朝餉の支度か。藤野の温泉施設もしばらく休業。奥牧野の立派な民家には洗濯物が干され、庭先では村のひとたちがマスクをつけて油を売っている。ところどころ飾られたこいのぼりを見ながら、秋山の明るい集落のなかのアップダウンを繰り返す。つげ義春が訪ねたときの神秘的な雰囲気は失われて久しく、古民家は少なくなっても、春の小鳥たちの声を聞きながら秋山川に沿ってずっと分け行っていくのが楽しい。集落を過ぎ、坂を上ったところで、次に進むべき村と風景を見る。役場近くには民宿もある。このあたりに泊まってゆったりとした時間を過ごしてみたい。ビストロ洋食屋さんの前の牛も兜をかぶっている。メニューは持ち帰り中心に代わっているようだ。
 今日もお休み中の饅頭屋さんを過ぎ、終着のバス停「無生野」の横を通り(そこにある民家のおじいさんが、ガラス越しに手をふってくださった)、雛鶴神社手前の炭焼き小屋で休憩。自宅で丼ごはんを食べても、丁度このころに空腹になるようだ。朝の買出しで買ったおにぎりふたつ片づけていると、渓流を歩いていた釣り師と目があった。どこかで、鰍カエルの鳴く声。

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 そこから、雛鶴トンネルはもうすぐの距離。手前の広場に前回いなかった山羊が一頭だけつながれていたので、「メエー、メエー」と呼んでみたが、かまわず一心に草を食んでいる。潜ってから、リニアモーターカーの横の坂をびゅびゅっと下る。いつもの神社には止まらず、手前の幼稚園に飾られた鯉登りの鯉が風にふかれてたなびいている姿をしばらく楽しんだ。道なりに進まず、運送会社の横の丘を上がってショートカット。くだりの集落におばあさんが歩いている。国道に合流したところにあるコンビニエンスはパン屋さんも兼ねていて、寄るのを楽しみにしていた。ジューシーチキンカツのパンと飲み物を求めて、店先でいただいた。もっとパンを食べたかったが、ついさっき米を食べたばかりなのでこれ以上お腹を膨らますとこのあとに差し障る。

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 139号に沿ってじわじわと上がっていった。桂川を渡る橋のところで、名瀑であったという「田原の滝」を見学。渓谷の流れから、富士山の雪解け水が豊富な様子がうかがえる。鹿留林道は、インターネットの山梨県の林道情報によると、ご多聞にもれず路肩崩壊で通行止めのようなので、直進。典型的なロードサイド郊外風景のなか、交通量の多い国道を富士吉田に向けてじわじわと上がっていくのは面白みに欠ける。右手に、特徴的な姿勢の三ツ峠山。ところどころ7%とか8%とかの坂を進むうち、正面にでっかい富士が見えるはずだが、いまの時間は大半がかすんでいるよう。ちらっと見えている裾野の広がりでその大きさが実感できる。寿駅を過ぎて左折。自動車の往来の多い国道と別れてほっとする。その先の格安自販機のところで休憩。100円のスポーツドリングで喉を潤した。

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 地図によるとこのあたりは鐘山とおりというようだ。道なりに肉屋さんや魚屋さん、食べ物屋さんなどあり、その佇まいを見ながら流すのが楽しい。サイクルコンピューターは左折して西に進むことを指図した。不動湯の看板に従って、川沿いの道を進む。このあたりは田起こしをしていている。夏も近い。途中にある温泉宿が気になる。道は狭まった山峡の中の急坂を進むようになった。この調子で峠まで進むのかと思ったが、不動湯との別れからは、坂も緩んだ。道路を横切っている蛇を危うく轢くところを回避。ゆったり進んで、切通し状の峠に到着。ここから、二十曲同様に富士がばーんと目に映るものと勝手に想像していたが、特にそういうわけではないようだ。

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 記念写真を撮ってすぐ下りはじめると、ほどなく忍野の開拓地に到着した。そこから山中湖へは目睫の間。途中にあるチューリップ園も閉鎖中でひっそりしていたが、その先のスーパーの駐車場は満杯だ。湖畔に沿ったサイクリングロードを進んで、道志みちとの合流地点のコンビニエンスでいつものように休憩。でっかいエンジン音を立ててやってきたオートバイ集団は外人さんたちのよう。買ったものを、前の広場で、同じように休んでいるみなさんと、ソーシャルディスタンスを保ちつつ、いただいた。

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 小山線に入り、別荘地を抜けると、三国峠はすぐ。途中のお決まりの、草原と湖を従えた富士の姿を楽しんでゆるゆると上がっていった。峠は駐車場を造成中で観光地化を目指しているよう。丹沢方面の深い山並みを目にしつつ、県境を越えて下りにつく。中途半端な地点の明神峠を過ぎ、この道を逆から上がるのはたいへんだなあと思いつつ、注意深く下っていると、向こうからロードバイクの少年2人。中学生くらいの子供ががんばっている姿を見て、笑顔で挨拶すると、彼らも礼儀正しくうなずいてくれた。さらに小山の街に落ちていった。田んぼは、代掻きが終わり、カエルのけろけろいう声も聞こえてくる。今日はスピードウエイのエンジン音も聞こえてこない。青空と新緑の山並みと長閑な風景に心やすらぐ。

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 御殿場線を渡り、足柄峠に向かう。物干し場に大量の洗濯物を干している商店の様子は前来たときと変わらず。そこから上までおよそ8キロの距離。1時間くらいであがってしまいたい。山北からだと、前半は緩く後半にきつい傾斜が控えているが、こちら側だと、途中のゴルフ場の入口までが核心部となる。フェアウエーに挟まれた15%以上はありそうな連続した急坂を、ときどき立ち漕ぎも交えつつ漕ぎ上がってしまうと、あとは楽が控えている。誓いの丘は閉鎖中・リニューアル工事中。杉林の暗いなかを抜けると正面に富士が見える開けた場所に出る。そこがなかなか山岳道路らしく気に入っている。被害の著しい足柄駅からの道は依然通行止めのようで、厳重にふさがれている。目論見どおり1時間後の15時20分到着。せっかくなので、足柄城址跡の高台に上って、今日最後の富士を見物するが、ありきたりで特段の感興も催さない。

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 公衆便所で厠を借りてから、県境を越え、矢倉沢道のダウンヒルを楽しんだ。ヘアピンカーブはリーンインしてスリップせぬよう、またセンターラインをはみ出ないよう。一直線の坂道は、下ハンドルをしっかり握ってへっぴり腰にならぬよう、自転車で楽しめる速度で直滑降を楽しんだ。開成の扇状地を東に横切り、新松田駅の手前のコンビニエンスで、軽食をいただく。

 そのあと、246号をひたすら東に進んだ。こちらから進む場合、一番いやなのは、ここから渋沢への長い坂。それをなんとかクリアすると、あとは新善波トンネルの上りも左程気にならず、前トップにして、後ろはトップから1枚か2枚残しつつ漕ぎ進んだ。厚木から先、金田陸橋の信号で渋滞するのはいつものこと。そこから先、横をかっ飛ばすトラックにときどき肝を冷やしつつ、最後鶴間への半地下の道が嫌なので左折して南林間のほうに進んだ。到着した時間はもうナガノは閉店していた。ときどき拝見しているブログの方のカレー料理がおいしそうだったので、今日はいつもと違ってカレー屋さんに寄ると決めていた。といいつつ、チェーン店のココイチではあるが。19時過ぎに入ったお店はがらがらで俺ひとり、ときどき来るお客はみな持ち帰りで注文されていた。コロナ禍で、飲食店屋さんはたいへん苦労していらっしゃる。この暗いトンネルから抜け出すことを願わずにはいられない。

 ところで、今日のサイクリングで食べたのは、レシートを振り返ると、▼04時55分(自宅):丼できんぴらごぼう飯+納豆+みそ汁▼09時24分(無生野):高菜おむすび・チャーハンおむすび▼10時27分(都留バイパス):ジューシーチキンカツ+ラテホット▼13時11分(山中湖村):おにぎり&おかず弁当+緑茶▼16時20分(松田町):カップヌードル味噌+焼しゃけおにぎり▼18時58分(南町田):炭酸水▼19時33分(成瀬):スパイスチキンカレー+たまごサラダ。

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 炭水化物・糖質の嵐。また、いかにコンビニの恩恵を受けているのがわかる。日常生活においては、明らかに食べすぎであろうが、サイクリング中はとにかく腹が減るので、これくらい食べないと後が持たないのである。


Commented by ランブリンマン at 2020-05-01 08:54
相変わらずの健脚ぶり感心致します。
ひょっとして忍野のチューリップ園ですれ違いませんでしたか?エンジ色のアップハンドル車にオレンジのジャージ、ハンチング帽です。
私もサイクリング日和の同じ日に誘惑に負け道志みちから山中湖を通り二十曲峠、秋山街道で帰って来ました。
途中、なるべく店に寄らないようサドルバッグに行動食を詰め人の集まっている所を避けて一人静かに走りを楽しみました。二十曲峠では桜の花と富士山を見ながらおにぎりを食べ、鹿留林道は瓦礫や枝が散乱していてパンクに用心しながら慎重に下りました。
行動時間は8:30相模原自宅発13:00二十曲峠17:45自宅着でした。
Commented by INTER8 at 2020-05-01 12:35
こんにちは。
僕なら山中湖からは道志みちで戻ってしまいますが、そこから三国峠+足柄峠とは相変わらずの健脚ですね。
苦手なヘビが現れる季節になりましたね。ひかなくて何よりです。祟りが怖いですから。
朝夕の食事を除くと僕の倍くらい食べています (^^; 僕は逆に食欲がわかずに困ってしまうくらいです。普段はお腹空くんですが、サイクリング中はコンビニで何を食べようか悩んでしまいます。
Commented by paparouh at 2020-05-01 21:21
> ランブリンマンさん
こんばんは。はい、しっかりと覚えています。忍野のチューリップ園が閉鎖されているなか、アップハンドルでパナマ帽のサイクリストがいらっしゃった姿に、確かに、8さんのブログでお見かけしたランブリンさんでないのかな?との思いがよぎったことを記憶しています。
実際にご本人とは、ご挨拶もせず、失礼をいたしました。
当日は道志みちをあがられたのですか。そこは、もう少しモーターバイクの騒音が少ないといいのですが、いまごろからだと、平日よりも休日のほうがうるさい印象があり敬遠してしまいます。
鹿留林道の様子を書いてくださり、ありがとうございます。今後の計画づくりの参考にさせていただきます。
Commented by paparouh at 2020-05-01 21:37
> INTER8さん
こんばんは。二十曲に行かなかったものの、国道を富士吉田までたどるのが、地味にきつかった印象があります。でも、、右手の三ツ峠山から河口湖につながる山並みを見て、どんなコースなのかイメージすることができました。ランドナーでもいつか訪れてみたいところです。
蛇は苦手です。どうして、あんなに気持ちの悪い柄をしているのか、しかもそれが、自然の幾何学模様であることに、よけい違和感を感じてしまいます。轢かなくてよかった。
行動食は、実はサイクリングの楽しみのひとつであります。ふだんコンビニで買い物はほとんどしませんが、サイクリングの日は、コンビニに寄って食べたことのないおにぎりやパンを食べるのが楽しみであったりします。しかし食べすぎなようなので、今後用心するようにしたいと思います。
Commented by ランブリンマン at 2020-05-02 17:27
こんにちは
こちらこそ挨拶せず失礼しました。お会いした付近にかつて卒業した大学の合宿所が有り、仲間と何度か道志みちを上がって行ったなと昔のことを思い出しぼんやりと走っていました。
またお会いした時にはぜひお声かけください。
道志みちは絶好の天気にしてはオートバイは少なめでした。私は若いころ散々オートバイに乗っていたので、けたたましく追い抜いてゆくライダーは昔の自分を見るようで因果応報だなと耐えています。実はまだ車庫に自転車達に並んでBMWの大型バイクが車検切れで置いてあります。(BMWは静かでジェントルです)そろそろ断捨離しなければと思っていますがなかなか煩悩は拭い去れません。
いつかぱぱろうさんのように一台の自転車で事足りる境地にたどり着ければ良いのですが。
Commented by paparouh at 2020-05-02 18:27
> ランブリンマンさん
こんばんは。
50CCのオードバイしか乗ったことがないのですが、大型バイクで飛ばすのは、とても気持ちがよいことなのでしょうね。でも、ふつうのモーター音のバイクは気にならないのですが、でっかい音を出すクルマには戸惑ってしまいます。音の大きさも楽しさの要素なのでしょうか。また、オートバイの方は、自転車よりも、複数人数で走る方が多いように見えます。風張峠や道志みちで、遠くからオートバイ集団の爆走音が近づいてきたときは、耳に指をつっこんでやりすごすようにしています(根性わるですみません)。
年季の入ったサイクリストの方は、複数の車種を楽しまれているようですね。わたしは、もっぱらむかしのランドナーですが、最近の進化したロードにも、一度くらい乗ってみたいなあと思ったこともあり、横浜にあるレンタルロードのことなど調べたこともありますが、わざわざそうするほどではないと、実行しないままでいます。
いまのよく走ってくれる自転車にとても愛着を持っているので、フレームがだめになるまでは、乗り続けるのではないかと思っております。
Commented by ぶとぼそ at 2020-05-04 19:12
お疲れさまでした。
これまた峠三昧の普通の人なら1泊2日で走るようなコースですね!!
山中湖の周回道路もガラガラだったでしょうね。眺めの良い三国峠でも人影は少なかったのでは!?
明神峠は1度だけ246号側から入りましたが手強かったです。その後は山中湖側からしか入っていませんよ(汗)。
我々サイクリストはこんな騒動でも問題なく趣味を楽しめますね。ただ、輪行が出来ないのが難点だったりもしますよね。
Commented by paparouh at 2020-05-05 06:11
> ぶとぼそさん
おはようございます。距離は長めですが、ロードのみなさんのように飛ばさないので、それほど疲れないで走ることができました。おっしゃるように、駐車場が閉鎖されているためか、訪れすひとは疎らな印象でした。明神は、小山のほうから上がったのは、わたしも1回だけです。そのときは2度と行きたくないと思ったのですが、時間もたったのでまたチャレンジしてみたいですね。
輪行して遠出したいなあ。列車も空いているし窓も開放しているのでリスクは少ないと思うのですが、でも一大事だからひとりひとりができることを協力しなくてはいけないですよね。
by paparouh | 2020-05-01 06:07 | 山梨県東部・富士五湖 | Comments(8)

サイクリングのことを記録していきます。


by ぱぱろう
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