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和田峠・新雛鶴トンネル・道坂トンネル

1.コース

自宅-上案下-和田峠-藤野-秋山村-新雛鶴トンネル-都留-菅野-道坂トンネル-道志-城山-町田街道-自宅 154キロ

(ルート)https://ridewithgps.com/trips/63359501

2.実施日:2021年1月31日(日)晴れ

3.実施者:単独

4.日記

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 訪れたことのない、道坂峠を、既知のコースと組合せて訪れてみようとの魂胆。朝ごはんを食べ、6時20分自宅発。

 町田街道を北上するうち、冷えて小便がしたくなったので、途中のコンビニエンス(相原の踏切より先、団地沿いの手前の店)ではばかりを借りる。そのお礼にと、行動食(鮭おにぎり2種)を求め、ついでにピザパンとコーヒーを店外でいただく。イートインの座席には、男性のお年寄りひとり、どこかしょんぼりとした様子でじっと座っておられる。

 そこから先、陣馬高原下のバス停にまで停まらずに進んだ。先が長いので、今日は小津に行かず。ここの公衆便所でも用を足してから、徐に峠上りにつく。上案下発9時06分、和田峠着9時43分。バス停に停まっていたバスを降りたと思われる、先行したハイカーたちを抜くと「すげえ」といわれたが、自分にとっては通いなれた馴染みの坂。ハイキング道の手前より急坂が連続し、ところどころ、路面に霜がついているが、スリップするほどではなく、落ち着いて淡々と上がって最初の核心部を立ちこぎで通過したあと、多少緩むがきついことに変わりなく、やがて再びさらに急こう配となるが、坂はどこがどうだとだいたいわかっていて、目をつぶっても踏み応えからどのあたりなのかすぐわかる。

2度目の急所を過ぎると、あとは道なりに漕いで(といってもきついことに変わりはないが)、最後のカーブを曲がった坂の上に見えるは真冬の峠の茶屋。広場に、今日はサイクリストはいない。ハイカー数名、車で上がってきた親子連れ。いつものように峠の石碑をバックに写真を撮ってから、和田に向けて下ろうとしたが、路面に数日前の降雪が残っているので、転ばぬようそろり、そろりと下っていった。

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 途中の富士見台から見る雪山の富士がきれいだ。その先、スピードを楽しんで下りたいが、日陰のところは霜がついていたり、路肩に泥をかぶった雪が積もっているので、慎重に降りた。陣馬山登山口のバス停のところで一度停まって、フロントキャリアにくくりつけたバッグ(ランドナー用の輪行袋の外袋を転用)の不安定を直す。藤野の隧道を漕いでいる横のぎりぎりを、無頓着な自動車が通過していった。

日連大橋を渡った先、少し坂を上がったところにあるコンビニエンスに停まるつもりはなかったが、ここから雛鶴トンネルまで長いと思いなおし通り過ぎる直前にハンドルを右に曲げた。ほうじ茶と大きなイカフライを求め、おにぎりのおかずにして小腹を満たす。

 奥牧野まで、地味なアップダウンが続くが、まだ足に余裕があり楽しめた。安寺沢に向かう秋山川にかかる橋までくると日当たりがよくてほっとする。雲ひとつない快晴の青空に、満月より少しかけた月が白く輝いている。しかし本当は、そうではなく、地球が受けた太陽の光を反射しているというのが天文学的にいうと正しいことのようだ。事実は多面的に見なくてはいけないということを考えながら漕いでいると、おしゃべりで夢中の中年ロード集団が横を黙って抜いていった。しかし飛まつ感染するのが嫌なので、今日は後につかないようにしよう。

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 雛鶴街道は、雛鶴トンネルまで、集落と集落の間をつなぐ坂をじわじわと上がって進んでいく道。かつてつげ義春の漫画かエッセイかで、上野原から秋山に入ると別世界のような趣を感じたと書いてあったのを覚えているが、いまはそんな感じはまったくなく、鄙びた感じは失われているようだ。
 途中の役場の先にあるビストロ洋食屋さんに寄るプランも考えたが、今日はこれまで訪れたことのない道坂峠へ進むつもり、長居して道志あたりで日が暮れてしまうのもいやなので、今日も通りすぎてしまった。また改めて訪れる機会をつくってみたい。

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そこから先も淡々と漕いで進む。途中でまたひとりのロードに黙って抜かれたが、勇ましく抜いたわりに、その先の坂道でスピードが落ち、ペダルをくるりくるりとまわしている。あれだと俺のランドナーよりも軽いギヤなのではないかとその様子を後ろから眺めながら進んだが、再び平坦になって距離を離された。やがてバス停の終着駅である「無生野」という浪漫的な名の場所に。ここにあるシェルのガススタンドに、いつも旅情を感じるのだ。

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その先の炭焼き小屋に停まって写真を撮ってからすぐに進む。ここまでくると新雛鶴トンネルはもう目睫の間。峠のカーブの路傍には雪が積もっている。そこを過ぎるとほぼ平坦となり上まで導かれる(隧道到着12時02分)。そこに、ヒルクライムを終えられたらしいサイクリストがひとり腰かけておられ「ご苦労様です」と声をかけてくださった。そのことに気を取られて、子ヤギの様子を確認しそびれてしまった。

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 隧道を潜ってから、ダーッと降りたいのだが、やはりところどころ路面が白くなっているので、慎重に進んでいった。遠く青空に映える三ツ峠山の岩場と長い尾根が印象的に目に映る。無粋なリニアの施設の横あたりから道路は乾いたので、速度をあげて下りた。 
 保育所の横を過ぎ、朝日馬場のいつもの神社(鈴懸峠の入口)に差し掛かると、自転車を停めて休んでいる方がいる。ここにいつも停まるのは、俺かInter8さんかいずれかと知っているので、もしかして彼かと思って近づいたが、リカンベントではなくミニサイクルのおとっつぁんであった。その人が俺のランドナーを見て何かいいたそうにするのに背中を向けて、写真を撮ってからすぐに出発。

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いつものように戸沢に向ける丘越えの道にハンドルを向けたものの、急な坂は一面凍結していたので、路傍で用を済ましてから(その横を雪タイヤの自家用車が何なく上がっていった)、幹線に戻って進んでいったのであった。

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 都留のバイパスを通るのは初めてだけど、大味な自動車道に大味なトンネルのなかはまったく面白くない。そこを抜けた先、いつものパン屋さん兼コンビニエンスに寄って、総菜パンとコーヒーを買ってから、日当たりのよい駐車場の地べたに座っていただこうとすると、すぐ近くでドライバーが煙草を吸いだしたので嫌味ったらしい視線を送って遠くに避難した。食べたあと、太もものストレッチをしてから徐に再開。ゆるゆると住宅地のなかの坂を上がって行った。

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 都留トンネルの手前、はじめ菅野川の左岸の道を進んでいった。しばらくは集落のなかを緩やかに上がっていったが、山が近づくにつれ、じわじわと傾斜が増していった。山道に入っても思ったより温かく、上着と下着のチャックを下げベンチレートしつつ、ついに冬手を外して素手でハンドルを握った。

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最後の集落の菅野を抜けるとさらに傾斜が急になり、もう足が余っていないからとロー30T×ロー26Tに落としてゆっくり進んでいった。やがて、最初のヘアピンカーブがあらわれてそこを淡々と通過、さらに杉林のなかの坂をつめると2度目のヘアピン。さらに3度、4度と同じようなカーブを曲がって進んでいった。このあたりになると斜度が緩くなるが、その分距離が長くなる。もうだいぶ上がったのではないかと目線の先の上のほうに、これから通うべき道が通っている。それがなかなかのスケールで、上がるにつれ、山の木が灌木に変わった。そうやって漕ぎ続け道坂トンネル到着は14時10分。下で漕ぎ始めたとき、30分に到着すればよいとスタートしたので、亀のような上りでも自分としては上出来である。

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 隧道の手前の駐車場には複数台の車が停められているがみんなここにデポして冬の山に入るのであろうか。ここが起点の林道細野鹿留線はすっかり雪に埋まっているが、暖かくなったらここから二十曲へつなぐプランも考えられることだろう。

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 扨、再び耳あてつけ、上着のチャックをしっかり締め防寒態勢を整えたあと、トンネルを潜った先、道志の入口にある噂の祠をお参りしてから、下りについた。ここも真冬とあって、凍結までしていないものの、坂はずっとウェットで路肩に雪が積もっている。スリップして転倒するよりもそれで車に轢かれるのは嫌なので、自重してそろりそろり下っていくと、やがて見慣れた道志みちに合流。T字路の信号が青になったところを左折してさらにダウンヒルを楽しんだ。

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 野原から先、少しアップダウンしてから、さらに両国橋まで落ちていった。そこから少し上がって、旧道に入って自販機休憩。商店の正面の自販機の隣のベンチに腰掛けて、残ったおにぎりひとつ食べていると、お店のおばさまがこちらににこりとあいさつしてくださった。目線をあわせてあいさつされてしまうと、何も買わないのは悪いからと、自販機で温かいミルクティーを求めていただいた。そのあと青根の公衆便所で寄ってから、青野原をつなぐ道は下を通って先に進む。そこから先、三ケ木まではずっと下り基調なので思い切り飛ばしたいが、この時間になって横風がきつくなりまた足の余裕もそれほどないので思うほど楽しめなかった。

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しかしゴルフ場の横を抜けて三ケ木の坂を下り、長作の街中を抜けるうち、徐々にパワーが復活し、町田街道に入ると、相原の遮断機で渋滞したがそれ以外はいつものようにサードウィンドが吹いて、前トップ・後ろ3段で快調に漕ぎ進むことができた。

 少し前と比べて、だいぶ日が高くなったといっても、町田市街の手前から暗くなってきたので、前照灯をともした。するうち、ふたたびしんしんと冷えるようになり、小便が我慢できなくなり、もう自宅近くだがコンビニエンスに寄って用を済ます。そうして、近所のスーパーで焼酎のソーダ割りのソーダと、弁当のおかずにするエクアドル産冷凍ブロッコリーを買って帰宅(17時47分)。冬の、長い距離のサイクリングは、楽しい。

エクアドルといえば、中学生くらいの頃、遠くHCJP(アンデスの声)の短波放送をロマンチックな思いで聴いたことを思い出す。そんな遠くから電波が飛んできたのは、首都キトがアンデス山脈の高地にあるから。しかしRAE(アルゼンチン放送)はとうとう聴かずしまいだったな。そんな風で、よいBCL受信機がないか最近ネットで見たりしているが、かつてのスカイセンサー5900やクーガ2200のようなひどく魅力的なラジオは、インターネットの普及により、ランドナー同様もはや絶滅危機に瀕してしまっているようである。

 それはそれとして、今日生れてはじめて訪れた道坂峠は、それほど楽しめないのかと思っていたが、ヘアピンカーブが連続して高度感のあるところなど、近くの山伏峠よりも山岳サイクリングのスケールが感じられるよい道だと思った。次回、二十曲峠までツアーができないか楽しみとして置いておこう。ところで、これまでてっきり「みちさか」だと思っていたが、ネットを見ると珍しい音訓読みで「どうさか」と読むようだ。


Commented by INTER8 at 2021-02-02 12:02
こんにちは。
今回もたくさん距離を走りましたね。身体が元気なうちは思う存分走るのがいいです。僕は緩急織り交ぜながらやっています。
道坂峠は僕も「みちさか」だと思っていました。他の人が「どうざか」と呼んでいるのを聞いて改めました。音読みと訓読みを混ぜないで欲しいものです (^^;
峠から双方へ伸びる林道はGoogleマップで見ると、どちらもまだ未開通のようです。まだかまだかと頻繁に確認しているんですが。でも、それはそれとして、終点まで散策するのもアリかもしれません。
Commented by paparouh at 2021-02-03 06:29
> INTER8さん
おはようございます。道坂峠ははじめて訪れました。思っていたよりも、山岳道路の雰囲気があって、とてもよかったです。走った感じだと、道志から上がるほうが楽そうですね。しかし道志の起点まで行くのが遠いから、結局都留側からと変わらないかな。そういえば、雛鶴を下って行った先、朝日馬場の神社に自転車を停めて休んでいる方がいたので、INTER8さんかと思いましたが、違うひとでした。林道ですが、道坂トンネルの起点にある看板だけ見ると通じているように読めるのですが、開通していないようですね。あそこが開通するとさらにバリエーションが増えるので楽しみです。でもその前に早くヤビツと奥武蔵グリーンラインを通れるようにしていただきたいです。
by paparouh | 2021-02-01 21:22 | 山梨県東部・富士五湖 | Comments(2)

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