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パターソンの絵のような渋沢丘陵

.コース

自宅-伊勢原-丘陵地帯を東から西-震生湖を経て、丘陵地帯を北から南-国道1号-国道134号-江の島-藤沢-藤沢街道-成瀬-自宅

(ルート)https://connect.garmin.com/modern/activity/7861656617 131キロ

2.実施日:2021年11月23日(火)曇りのち晴れ

3.実施者:単独 

4.日記

自転車乗りにとって有名なフランク・パターソンの画集を持っているわけではないが、インターネットで画をみると、神奈川で最も近い場所で、描かれた場所に近い風景は、きっと渋沢丘陵ではないかと思います。そんな、人里に近い晩秋の丘陵の道を楽しんだ一日でした。

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 例によって、早起きして、遠いところまで出かけるつもりでしたが、布団の温さに負けてしまいました。早起きが苦手なんです。

 それで、ゆったり起床して、朝食・コーヒーを飲んで、あらためてどこに行こうかと思案を巡らして、いま頃の季節からがハイ・シーズンとなる、渋沢丘陵に出かけてみようと思いつきました。コースは、かつてINTER8さんが行かれたルートを、ガーミンに読み込ませてガイドさせました。自宅発8時過ぎ。

 町田街道まで上がってから、境川沿いを鶴川宿に向かうと、朝の冷たい空気で腹が冷えたせいか、急にもよおしてきました。途中にある、鶴間の新しい公園施設に、きれいなトイレができていたので、ありがたく使わせていただきます。

 小田急江ノ島線を横切り、日産座間工場の間を通ってから、ふたたび小田急線を潜り、相模線沿いを進むようになると、田んぼ地帯の向こう、丹沢の山々が間近に迫ってきました。しかしこの時間まだ雲が多く、上は隠れたままです。

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 海老名を抜け、厚木市街でも公園の厠を借りたあと、246号に合流します。ここまで、幹線たる国道を避けてきたのですが、ここから西に向かうにあたっては、適当なエスケープルートが見当たらないようですね。

 伊勢原市街に入ってから、国道を左折してずっと進むと、再び開けた田んぼ地帯となりました。畦道に自家用車が停められ、愛好者たちがリモコンでグライダーの操作をされていましたので、傍に寄ってしばらく見学させていただきました。これだけ広々していると、飛ばし甲斐があるようです。

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 金目川を渡って右折してすすむと、しばらく郊外住宅地の風情であったのが、だんだんと里山の面影を残した雰囲気に代わっていきます。行く手の坂道にある畑で、おばあさんが畑仕事をされています。その横を通って進むうち、やがて高台の道となりました。谷戸のようなところを漕いであがります。

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 いったん下の町に下りてから、車道を左折して、集落と集落をつなぐ生活道のような簡易舗装の急こう配の坂をつめて上がりました。雑木林のなかの道を抜けたところ、唐突に広々と畑が広がっていました。

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そこに迷い込んでしまったらしい数台のマイカーが立往生しているのを横目に見ながら、さらに先に進むうち、集落と畑地帯を繰り返しつつ進むようになりました。

このあたりでも畑地帯は開けていて、案内板を読むと、ここの道も古道であったかのようです。富士が見事に見えるとありますが、あいにく今日は見えないものの、澄みきった晩秋の空気は気持ちよく、鼻歌交じりに、いろいろなことなどを考えながらペダルを漕ぐのが、楽しい。

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 それでしばらく漕ぐうち、ふたたび分譲住宅地らしい街並みとなり、それまでとは対照的な印象です。渋沢丘陵でお昼にと、246の国道のコンビニで行動食のおにぎりをみっつ買ってあったのですが、おかずが足りないからと、またコンビニに停まっておかずの揚げ物を求めたのでした。

 秦野の総合高校の運動場から聞こえてくる、運動する学生の声を聞きながら、見覚えのある給水塔の横の道を通って丘陵に上がりました。

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 すると、この道のビューポイントたる、丹沢の山並みと、その足下に広がる街並みが見晴らせるようになります。たいへんよい景色ですが、とくに夕方にあっては、ぽつりぽつりと点灯する街の灯りがとてもきれいで、また違った感興を覚えるところですね。

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 ガーミンにインプットしたコースはそのまま直行していますが、せっかくだからと、窪地にある震生湖に下りました。ここは、湖というよりも広い池といった感じですが、池畔に植えられてあるもみじやかえでが、丁度紅葉していてなかなかきれいです。水がもっと澄んでいれば、軽井沢の雲場池にも負けないだろうにと思いつつ、自転車を停めてしばらく散策しました。テーブルの椅子に腰かけてお弁当を楽しんでいるひとたちや、カメラマンに交じって、絵筆をとっておられる風流人もいらっしゃります。

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 俺もここで昼飯にしようかと思いましたが、少々ひとが多く、せっかくだからひとりきりのひとときを楽しみたいからと、ほどなくそこをあとにしました。

 再び車道に上がってさらに西に向けて漕いでいきます。そして、南のほうに進む坂を下るべきところ、そちらにタイヤを向けず、丘の間をすすむ歩道を選んで進んだのでした。

 というのも、こちらの道は何度か自転車を連れて歩いたり、漕いだりしたことがあるのですが、里山らしい風情に満ちていることを知っているから、素通りするのが惜しいと思ったからです。それで畑の間の道をゆっくり漕いでいくと、高台から遠く海が見えるようになります。丘と丘の間を区切る木々の間から木漏れ日が差し込んでいてきらきらと輝いています。薄原があり、ベンチに腰かけて、お昼にしました。持参したおにぎりふたつと、さきほど求めた揚げ物のおかずを、小鳥の声を聞きながらいただきました。

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誰もいない幸せなひととき、と思っていたら、向こうのほうから、ハイカーのふたり連れがやってきたので、軽く会釈をしました。みかん山もあります。それで、もう、早くもお正月がくるのだなあと思いました。光陰矢の如しですね。

 そんなひとときを過ごしつつ、丘のなかの歩道を下りて、ふたたび車道に合流しました。少々迷走しつつ、もとの道に戻って進んで、中学校をぐるりと回ってから、篠窪へ至る車道に入ります。

 しかし、隧道にすすまず、側道からそのうえの峠に向けて自転車を進めました。そこの坂は、たいそう急こう配で、路上には緑色の苔も生えていてスリップしやすいので、路面を選びつつ、慎重にじわり、じわりと漕ぎあがります。そうして、丹沢山地の眺望とお別れしたあと、陰気な感じの林のなかの坂をさらに上がっていきました。

 それで、一度コースを折り返して進むと、やがて暗いところを抜けてふたたび陽の当たる高台の道に出ます。ここも、開けていて、見晴らしも日当たりもよく気持ちがよいところです。紅葉の名所のような派手さはないが、里山らしく控えめに色づいた森の木々をみながら、ゆっくり自転車を流しました。そうして、地道に入りいったん車道に下りて篠窪の集落のなかを通ります。

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 しかしすぐに車道と別れ、路面に滑り止めの円盤のついているコンクリート敷の急坂をあがると、道祖神様がいらっしゃったのでお写真を撮らせていただきました。この神さまは信州に多いとのイメージがありますが、湘南にも多いようですね。

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 さらに上にあがってから、山の斜面にある畑のなかの牧歌的な雰囲気の道を南に進んで行きました。

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 みかん山の間の道を抜け、通行する自動車の興ざめな音を聞きつつ、高速道路の下を潜ってから、古怒田に向けて漕いでいきました。西の山の稜線、箱根の大涌谷へと連なるスカイラインを楽しみつつ行けば、急こう配の果てに、山の林のなかの尾根筋を通るようになります。

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 この道は、かつて、不動山を経て、みかん山のなかの道を西の曽我に下りたことがありますが、今日は途中で左折しました。そこまで、落ち葉の堆積した地道は前夜の雨により地道にぬかるんでいる箇所が多く、タイヤとリムがひどく泥だらけになってしまいました。

 また、前に松姫で経験したように、突然後輪がロックしてしまったので、「南無三」といいながら泥除けを見ると、多少膨らんでいる程度で、まあよかったです。その犯人たる太い木の枝をステイから解放して憎々しげに放り投げてから、上に膨らんでいるマッドガードを手で押してもとに戻します。あとは、落ち着いて下りについたのですが、スリッピーな粘土質の道に苦労して、あばれる自転車の振動であやうく金玉を打撲しそうになりました。


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 やがて無事に里に下りたのですが、ここも入口のところに道祖神があったので、通ってきたのは古くから通っている道のようですね。また、村を案内する看板を見ると、大半が「早野」姓を名乗る家々のようですが、往時、開拓したときの名残なのでしょうか。

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 この村のシンボルである大きな木のある広場に停めて、木の枝を拾って、タイヤやペダルにこびりついた泥を精々ぬぐえるだけぬぐってから、みかん山の急坂をしたに向けて下っていったのでした。

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 二宮の海岸まで進む手前のコンビニのところに手ごろな水たまりがあったので、タイヤをじゃぶじゃぶさせて、泥を落としました。そのあと、1号線を、大磯からは恒例のように134号線を飛ばしたのですが、とくに後者は、車の通行は多いものの、ファストランを楽しめる快適な道なのです。そこで、遅いロード数名を、今日は片手をあげて抜かせていただいたのですが、なかには時速40キロくらいで巡行している若者のロードもいて、それにはとても太刀打ちができません。

 引地川からは、強い海風のなか、夕暮れの海岸沿いを水族館までゆっくり流して今日最後のひとときを楽しみました。今日は富士には恵まれませんでしたが、この時間になって、海岸沿いの先にようやくその姿を認めることができました。そして、いままさに山の稜線に日が沈もうとしているところ、多くの人たちに交じって、その瞬間をフィルムに収めるべく、カメラを向けたのでした。

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 扨、江ノ島からどのルートで帰宅しようかと迷ったのですが、早めに帰宅したいからと、藤沢街道の車道を進んだのですが、途中にある看板を見ると、大和よりも国道246号のほうが手前にあるような表示なので、どうも変です。道は行楽帰りの車で渋滞気味でしたが、その横をすり抜けつつ快調に飛ばして、やがて朝来た境川沿いの道に合流。そして、いつもは成瀬の山田うどんにしているところ、今日は寒くて矢鱈ラーメンが食べたいと思って漕いできたので、別の店の街の中華料理のお店に入ったのですが(18時15分頃)、チェーン店と比べて値段は高めでも、味はよいですね(ラーメンを食べたいといいつつ、チャーハンも食べたいが、ラーメン+チャーハンだと炭水化物だらけでよろしくなかろうと、結局チャーハン+餃子にした)。これからもこの店もちょくちょく利用してみたいと思いました。

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 そのあと、近所のスーパーで好物の井村屋のあずきバーと特売品のピクルスとエクアドル産の冷凍ブロッコリーを買って自宅に戻りました。玄関前で、雑巾でこびりついた自転車の泥をぬぐってから、風呂に入る前、チェーンとフリーの掃除をして次に備えました。

 ということで、いまから冬にかけての渋沢丘陵は、十分楽しめるコースのようですね。それで次に構想しているのは、半原越→唐沢林道→表丹沢林道→渋沢丘陵→江ノ島といった感じですが、できれば年内に走ってみたいところではあります。


Commented by 通りすがりの者 at 2021-11-24 21:50
パパロウさん、こんばんは
こちらも、渋沢丘陵ですね。冬になると私もその辺りをよく徘徊してます。実家が二宮だったので、若かりし頃ロードレーサーでかっ飛ばしていた様に記憶しています。当時はとにかく、一生懸命走る事だけを考えていたので、風景を楽しむ余裕などは無かった様です。次回は、半原越から唐沢林道、ヤビツ峠を経て渋沢丘陵ですね。なんとなく、似た様なコースを私も走っていそうな気がします。実は、新生湖には一度も降りたことがないので、今度降りてみようかと思いました。では、また
Commented by paparouh at 2021-11-25 21:15
> 通りすがりの者さん
こんばんは。渋沢丘陵は、いまごろから冬場にかけてひだまりを訪れるのがよい気がします。夏は、逆に日当たりがきつくて楽しめないのではないでしょうか。いまわたしの住んでいる横浜市の北部でも、このような里山であったのでしょうが、いまはどこにでもあるような郊外住宅地になっています。渋沢のこのあたりだと、東京都心にはちょっと遠いので、それほど開発されずに、開拓された農地の雰囲気をまだ残しているのでしょうね。勝手をいわせてもらえば、できるだけいまの佇まいを残してほしいと思います。次の週末は、また丹波山のパン屋さんに行くか、半原→唐沢→表丹沢林道→渋沢丘陵→江の島のコースにするか、いずれかにしようと思っていますが、どちらもそれなりに早起きが必要なので、きちんと布団から這い出すことができるかどうかが最大のポイントです。
Commented by 通りすがりの者 at 2021-11-26 08:15
昨日、個人的に定番化している、宮ヶ瀬ーヤビツ峠ー表丹沢林道ー平塚ー江ノ島に行ってきました。70号線が使えないので、唐沢林道を使いました。唐沢林道では物見トンネルから降って登り返したあたりで木の切り出し作業が行われていて、道路を越えて運搬ケーブルが張られているので、稼働中は待機させられます。更にその先の崩れた斜面の補修工事が始まって、ショベルカーが道を塞いでいるので、お詫びをしながら押して通過しました。実は、切り出し作業の手前で、運搬トラックに遭遇したら、運転手の方が、今はいろんな業者が入って危険なので通らないで欲しいと、おっしゃっていました。「通るな」と言われない分、かえって心に響いた気がします。たぶん、業者が複数いるためだと思いますが、どちらの作業者達も通行を止めようとはせずに、安全管理に徹しているようです。なので、次回からは日曜日に行くことにいたしました。
表丹沢林道の崩落箇所は、未だ工事が始まっていませんでしたので、(物理的には)通行可能です。久々に、盛大なカットパンクをしたので、渋沢徘徊は辞めて帰宅となりました。
Commented by paparouh at 2021-11-26 21:43
> 通りすがりの者さん
こんばんは。早速行かれたようですね。詳しいレポートありがとうございました。たいへん参考になります。物見トンネルから先の空中切り出し作業の場面や、その先のショベルカーの存在など、それらの様子が目に浮かぶようです。わたしも、林道サイクリングが好きですが、作業している方との遭遇をできる限り避けたいので、日曜日に限定することをここがけているところです。何かトラブルになって、林道から締め出しになるような世論(?)が形成されるのは、もっとも望まないところですから。しかし、この前、うっかり土曜日に奈良子林道に入ってしまい、とがめられはしませんでしたが、現場を通過後に、自転車がきたことについて何か議論している声を背中で聞いて、あと味の悪い思いをしてしまいました。あくまで林道は、森林資源開発のための道であって、そこで遊ばせてもらうわれわれは、できる限り遠慮のうえ、静かな利用を心がけたいと思っているところです。ということで、今週末は唐沢林道に出かける気でいまのところいるのですが、土曜日でなく、休工日であるはずの日曜日に実行できればと思っているところです。ですが、早起きできるかどうかが鍵となりそうです。
by paparouh | 2021-11-24 21:26 | 神奈川県西部 | Comments(4)

サイクリングのことを記録していきます。


by ぱぱろう
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