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いつものランドナー、和田峠・入山峠・和田峠

1.コース

自宅-上案下-和田峠-林道醍醐線-降宿-林道盆掘線-入山峠-戸倉-秋川左岸-本宿-甲武トンネル-棡原-佐野川-倉子峠-和田-和田峠-上案下-八王子-御殿峠-多摩境-町田街道-自宅 143キロ

(ルート)https://connect.garmin.com/modern/activity/12153336564

2.実施日:2023年10月1日(日) くもり午後一時小雨

3.実施者:単独

4.日記

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 遠乗りするつもりで前夜寝たのであるが起きることができなかった。

 涼しくなって、ぐっすり眠れるから気持ちがよくてそこから抜けだすことができない。暑くても寒くても、それぞれ理由をつけて寝坊することが多いのだ。布団を抜け出すことが一番の関門?

 代わってどこに出かけるか寝床のなかで考えて、最近通行の記録が出るようになった入山峠に行こうと思った。自宅発7時45分。

 高尾のダイエーに寄ることが近頃多くなっている。9時開店なので8時頃家を出ると丁度よい時間。厠を借りてから、秋らしく栗マロン入り菓子パンと大福もちを買って行動食とした。

 美山通りの霊園の長い坂を漕いでいると、同じユニフォームを来た大学生のロードバイクの集団と抜かれた。グループのひとたちに次々と黙って横を抜かれるのは気持ちよくないが、抜かれたついでに彼らのロードバイクを観察してみる。新車探しでわかってきたことだが、最近はロードでもタイヤの幅が太くなりつつあるようだ。パッと見であるが、だいたい28Cくらいのサイズが多いようだ。

 風の影響を受けないようぴったりした服装であのような軽い自転車ですいすい行くのはさぞ気持ちがよいことだろう、と思う半面、試乗してわかったことだが、ロードとしては太目であっても、ランドナーの35Aと比べて細いタイヤで「ゆっくり」と走るのは向いていないような気もする。スピードを競う者にとっては合理的でも、俺のように低速で疲れないように漕ぎたい者にとっては端的に言って用途が違うというのがこの間の結論のようだ。霊園の長い坂を下ったところの交差点で彼らは左折して64年五輪のときのロードレースコースらしい方向に進んでいった。そのころの自転車と比べると、いまのは長足の進歩を遂げていることだろう。陣馬街道との交差点を左折して、だんだんと山里らしくなる景色や秋めいた雰囲気を楽しみながら漕いでいると、後ろからそんなロードに猛スピードで抜かれてちょっと驚いた。

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 八王子側から和田峠に上がるには、ふたつルートがあるが、さっさと上がりたいから、少々きつくても距離の短い上案下からの道を取ることが多い。今日もそうやって最終のバス停の陣馬高原下のバス停を出たのが10時42分、上がったのが11時16分。

 登山道の分岐の手前からずっと急坂となるが歯数差4のロー×ローにして淡々と漕いでいく。急は急でずっと変わらないが、どこでさらに急になるかわかっている。最初の左カーブの手前の急登はシッティングのまま、次の石橋のところが多分最大斜度であるが、ここも座ったまま慌てずゆっくり踏んでいけばほどなく上の斜面の道。そこで斜度が緩むように見えても、それまでが相当であったから錯覚に過ぎないようだ。ここまでずっとシッティングできてもこのあたりで腰に痛みを感じ始めるから、そのときは立ちこぎにしてポジジョンを変えれば疲労も蓄積せず着実に上がることができる。そうやって、飽くまで淡々と漕いでいくと峠まであと600mの看板は意外と近い。そこまできたらゴールはもうすぐ。坂はいったん緩くなるが、すぐにもとのとおりとなり、防火のための水桶が置いてある大カーブから峠直下までさらに急になるが、目の先に峠の茶屋が見えているから「あと少し」とがんばればじきに到着する。

 今日はひとりのロードバイカーに抜かれた。それは先に見学した黒いトレックのドマーネのようであった。ロードとしては大きい幅のタイヤ、おじさんがはあはあと息を吐きながら黙って抜いていったけど、ここは息を乱す場所ではないぜと心のなかで負け惜しみをしつつ漕いだのだが、今回調べたエンデュランス・ロードの最小ギア比はいずれも1なので、重たいランドナーよりも軽く、それくらいをあのようにくるくるまわされるとそれは勝てないだろうと思った。もしかすると、車体が軽いから、低トルクでもこけないようにあのようにがんばらなくてはいけないのかしら。ランドナーだとどんなにスピードが遅くても、ゆっくりとまわせばふらつくことなく、蝸牛のように上がっていく。

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峠の茶屋の椅子にどっかりと腰かけて、俺を抜いていったドマーネのおじさんが前をはたけてはあはあいっているのを横目に、いつものように峠の碑をバックに記念撮影したあと、水筒の水を飲んでからさっさとダートの醍醐林道に進んでいった。

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 ゲートの脇を通って、あと少し上り返したところで少し休憩。行動食の大福もちをいただく。道端の岩場のところの名も知れぬお花が控えめに咲いているのをきれいと思ってから、徐にサドルにまたがった。いまは降っていないが、道は直近の雨でしっとりと濡れていて、雑木林からもぽたぽたとしずくが落ちているようだ。雨に濡れた山の緑の色の緑の濃さにまだ夏の余韻を残しながらも、空気は澄んでいて、虫の声に秋の風情を感じる。自分としては紅葉のはじまる前の今頃の季節が案外と好ましく感じる。日本晴れでなくても向こうにみえる山襞に雲がたなびいていてよい感じだ。

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上案下からの道は針葉樹林帯のなかのくらい道なのに対し、こちらのほうは雑木林の雰囲気を残しているから、伐採箇所はあるが季節の変化を感じやすいのだろうと、濡れた路面のせいでなお効かなくなったカンチブレーキをドロップハンドルの下を握ってひきながら下りゆけば、やがて下のゲートとなり最奥の民家に出る。ここの奥にある茅葺屋根の民家の軒先に、洗濯ものが干してあるのを見たが、最近はひと気が感じられず空き家になってしまったのだろうか。道ばたにある穏やかな顔の仏様にご挨拶してから、落ちている毬栗を踏まないように通って、このような人里離れた山奥のくらしに思いをはせながら、渓流に沿ってさらに落ちていく。

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 やがて盆堀林道の入口のT字路にきたので橋を渡って、ゲートの横を通って進んでいった。

 急斜面の連続する和田峠と違ってこちらのほうは上の隧道までは中斜面、そこから峠までは等高線に沿ってじわじわ進んでいくとあってだいぶ楽だ。ここは最初から上までずっと歯数差13のまま踏んでいった。

 道ははじめ森のなかを上がっていくが、やがて開けた谷間のなかの山肌を巻くように上がっていく。ずいぶん上のほうにこれから進むべき道路が通っているのが見えるが、実際に漕いでみると左程のことはないのはいつものとおり。大雨でいつも崩れる場所もだいたいわかっていて、そこの様子をちらっと見ながら進んでいく。隧道につながる肩に道から、まだ相応に上がらなくてはいけないというほどではなく、拍子抜けしたように入山トンネルに到着するからずいぶん楽だ。隧道の壁に落書きの跡があってあまりよい印象でなく、そこを抜ければ伐採地帯となり、そうそうここはそういう感じだったと過去来たときのことを思い出しながらさらに進んでいった。

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 そこからしばらくは横移動であるが、入山峠直下のところで少し坂となる。峠の所在は電線の鉄塔が近くにあるからだいたいどのあたりか見当がついている。進んだ先カーブしたところが峠であるとの予想に違わずに到着して、ここでも長居することなく写真を撮ってからすぐに下っていった。さきほどオートバイとすれ違ったから、この先も通れないということはないだろう。

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 少し進んで崖に面した場所にたつと、このあたりの山の木も伐採されて下の道路も見通せるようになっていた。これまでと違って、土砂がたまった箇所や石屑が散らばっているところ、舗装も荒れた箇所もあってしばらく荒れ気味ではあったが、ランドナーの通行に支障はない。伐採地を抜けたところで森のなかの渓流沿いとなる。この道も霧がかかってしっとりと濡れて趣のある感じ。落ち葉で埋められた路面でスリップしないようにゆるゆると下りつつ、入会地を示す標識の名まえを読みながら進む。こんな道をいつまでも通ってみたいと思ったが、やがてふたたびゲートとなった。そこにはトライアルバイクが停められ、若いライダーたちがおしゃべりしたり支度したりしているようだ。

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 さらにどんどん下っていく。途中にあるおいしいレストランはここかと目星をつけてみた。途中にある見事なもみじの木のいまは緑の様子を見ながら集落のなかを進んで、やがて檜原街道に合流。左折して少し進んだところの戸倉のコンビニエンスで少し長めの休憩。そこで、いつの間にか温かい食べ物が欲しくなって、カップ麺とおにぎりを食べたけど、カップヌードルも高くなったね。それが正当な値段であろうが、デフレ社会に慣れた身だとどうしてもそう感じる。ついでに、プロテインを補給できるお菓子をいただいてから出かけた。

 少し戻って秋川にかかる橋を渡り、左岸の道を選んで進む。村役場までは車道を進むことが多いが、今日はのんびりとサイクリングを楽しむつもりだから、そこの道のアップ&ダウンを楽しんで行けば、お寺があり、キャンプ場があり、助産院があり、材木屋さんがあり、民家がある。その庭先には曼殊沙華が咲いていてすっかり秋めいた印象だ。御嵩のほうの山にも雲がたなびいていて山里の趣を感じる。この時間になって雲が広がって暗くなってきた。ときどきぽつりぽつりと雨粒が落ちてきたけど、ずっと向こうのほうは薄日がさしているので土砂ぶりにはならないだろうと、御嵩山のほうに向かう道路を外れて、急な坂を越えて一度幹線に合流する。そのあともう一度橋を渡って、市役所の手前まで左岸の道をゆっくりと漕いでいった。

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 行先藤倉を示すバスを見てから、突き当りのT字路をそちらの方向に行かず左折した。そのころから雨のぽつりぽつりが少し強くなり、どこかで雨宿りするかしないか、ポンチョを出すか出さないか考えつつ漕いでいった。上野原への分岐はすぐではないがほどなく到着するだろうとの予想と違って、案外と時間がかかったように感じる。道はずっと緩い坂で、ところどころ部分的に傾斜が急になるが、たいしたことはなく、ずっと前39で後ろは2枚か1枚残しつつ漕いでいった。今日は晴天でないせいか、もう15時に近く遅い時間のためか、オートバイもロードバイクの往来は思ったより少ない。その分静かな山里の風景を楽しみながら漕いで、左折して甲武トンネルへ上がる。ここも左程の勾配はなく、ただ淡々と歯数差13のまま漕いでいけば、やがて東西を折り返す大カーブとなり、それを詰めたところが最初のトンネル、次が距離1キロちょっとの甲武トンネルだが、隧道内を疾走する車は少なく、轟音に脅かされることなく通過した。

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 トンネルを抜けると、山に隔てられて気象が違うのであろうか、小雨模様であったので、途中の見晴らし台(実際は木々にさえぎられて何も見えない)の屋根のある東屋に停まってポンチョを出した。そうして雨具をつけたけど、もう少し雨脚が弱まらないかと行動食の栗マロンパンを食べながら時間をつぶした。するとその甲斐あってか、雨が弱まったので峠をゆっくり下っていった。

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 下りながら、ふだんから雨が嫌いといっているがこういう天気はランドナーのよさを思わなくてもいけないなあと思った。泥除けがあるので、背中に水をかぶらない。かつ風通しのよいポンチョでそれほど蒸れずに快適に過ごせる。セパレートの雨具ほど、着たり脱いだり出し入れするのが面倒でない。タイヤの幅が太いので、濡れた路面のカーブでもスリップのリスクが比較的少ない。気も遣わずに済む。望むとすれば、あと少し性能のよいブレーキがあるとよい。ドライの峠の下りでは制動力に不足を感じたことはほとんどないけど、地面が濡れていたり、雨降りだとどうしてもBRCT91の効きが悪くなる。鳴きもするし、シューもてきめんに減る。それは今後の課題のひとつということにしておこう。

 さて下った先、棡原の開けた風景はお気に入りの場所のひとつだ。山の斜面に沿って古い民家がたっている。畜舎のような建物もある。南のほうは対照的に開けていて、気持ちがよい。特徴のある形をした要害山が印象的だ。

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 そんな風景を見ながら、スリップせぬようゆっくりと下っていけば、やがて雨はやんだよう。だがまた降りだすといけないからとポンチョを来たまま、五差路を藤野のほうへ上がっていった。そうして棡原トンネルのところで脱いで、たたんでパッキングした。

 ここから佐野川まで、ゴルフ場があるからちょっと興ざめなところもあるが、それを見なければ農村集落の雰囲気を楽しみながら漕いで行くことができるけど、思ったより以上にアップ&ダウンがあることを知っている。だが今日は涼しいし、これまでそれほど脚を使っていないから、ちょっとした坂でも楽しみながら漕いで行ける。この天気だから富士は見えないが、その分近くの山並みに雲がかかってよい感じだ。佐野川を上がったところにはバイオ式の公衆便所があることをはじめて発見したが、いまは用はなくまた利用してみよう。そのままピークを越えて、急な坂を下までどんどん下りていった。どうせまたこれ以上の高さに上がらなくてはいけないから、そんなに下らなくてもよいのにと思っても、容赦なく下っていった。倉子峠の分岐の手前で停まり、そこにある自販機で冷たい飲み物を求めて喉を潤してから、和田へつながる古道を選んで進んでいった。

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 ここは、和田峠の最大斜度くらいの坂が続いているが、距離はさほどでない。立ちこぎすると後輪がスリップするので、あまり強く踏まないよう加減に留意しつつ、例によって蝸牛のように上がっていくと、いつものメマトイがうるさくよってきてしばらく付きまとわれた。切通しの倉子峠は芭蕉の句碑などなくても古道の趣が感じられる。だがじっとしているとどんどん羽虫が集ってくるし、時間も押しているから、ここでも写真を撮ったらさっさと下りていった。

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 向こう側もとても急坂なので制動を効かせるようにブレーキレバーを強く握れば派手の音がする。きっとクマがいても、その音に驚いてどこかに退散してしまうだろう。あとはおなじみの山辺の道をたどって進んだ。杉林、竹やぶ、数軒の民家、その先か手前の崖のところにぽつんと一軒家。大室山方面の見晴らし、落ち葉の敷き詰めらた濡れた舗道、犬の鳴き声、茶畑など、道と景色の変化を楽しみながら進んで、和田の八坂神社で車道の合流。続いて今日2度目の和田上がりだけど、この道もまた何度となく通っているから途中で日暮れても左程の不安はなし。坂が急になる和田集落の上のほう、浄水場からの一直線の道、あとは富士見台から峠の手前にかけての13~15%の道も、歯数差13のまま踏んでいくのだ。

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 まだ18時にならないが、山の日暮れは早く、峠の手前の森影のところは暗くバッテリーライトを照らした。ときどき自動車が列をかけてエンジン音をうならせながら抜いていく以外は己だけの世界。そんな道を、恥の多かった学生時代のことを思いだしながら漕いでいって、思わず「わあ」と声を上げてしまう。でも若さとはそういうものだと自ら慰めていって、誰もいない峠到着17時43分。写真を撮ってすぐ午前来た道を下っていったけど、バッテリーライトの電池が少なくなっていて明るさにおぼつかない。だが停まって電池を替えるのは億劫だし、暗闇であっても見ないで通れるくらい(?)通った道だからと、やっぱり濡れて効かないカンチを効かせながら下っていった。かつては、下り坂で太ももに疲労を感じて往生したものだが、長くサイクリングしているとそういう痛みにも強くなっているから年齢がいっても筋肉はまだ鍛えることができるらしい。

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 そうして、バス停を過ぎ、陣馬街道に合流し、ペースを上げて進んでいった。美山通りを右折してもよいが、行きと同じ道よりも違った道で、お店や街の様子を見ながら漕ぐほうがよいとそのまま直進する。途中のいつものコンビニエンスで休憩を取ってから、あとは八王子市内を抜け、御殿峠を越えて町田街道よりひとつ東側の新興住宅地のなかの幹線を進んでいった。

 結局いつもの山田うどんにピットインしたのは20時17分。今日は比較的混んでいて、注文した生姜焼き定食が出るのにちょっと待たされたけど(値段はまた上がっていた?)、おいしくいただいたあと、スーパーでちょっと買い物して家に戻った。

 そういうわけで、ロードだともっと早く進むだろうこれくらいの距離であっても、ランドナーだと戻りが遅くなるのは車種の違いでやむをえないことだ。むしろ細いタイヤで、速度を求めるジオメトリとポジションで「速く速く」とせきたてるような走りはまったく望んでいないのだ。遅くてもよいから訪れた場所や自転車と対話できる速度、前傾しない楽なポジジョン、長く座っていても快適な尻の形になじんだサドルでゆったりと漕ぐほうが自分にあっているように思う。長足の進化をとげているいまの自転車よりも、俺はランドナーで十分幸せなのだ。俺のランドナーは特別これといって特徴はないが、ちょっと格好よくなかなか男前でとても気に入っているのだ。だからそれ以上の何を求めたいのか、はっきりさせることから始めないといけないのではないかと思うのだ。


Commented by giant_ameba at 2023-10-03 11:03
こんにちは、またまたダブル和田ですね!実は最近気がついたのですが、めまといはおそらく口から吐く二酸化炭素に引き寄せられるのでは無いかと言う事です。と言うのは、MTBに乗る様になって、急坂を下を向いて漕いで上がることが多くなったのですが、顎を引いて下を向くと何故かめまといが寄りつかなくなるのです。いろいろ考えた結果、正面を向いて漕いでいると口から吐いた二酸化炭素が顔面にまとわりつくのに対して、顎を引いて下を向くと二酸化炭素が首づたいに後ろに流れるので、顔にまとわりつかなくなるという事では無いかと思い始めた次第です。蚊が二酸化炭素に引き寄せられることは有名ですが、はなしてめまといもそうなのか?確信はありません。でも、ロードに乗っているときも、めまといが気になったら顎を引いて下を向くと、居なくなる様な気がしてきました。
サイクリング本論からは外れたお話しで失礼いたしました...ではまた
Commented by paparouh at 2023-10-03 22:10
> giant_amebaさん
こんばんは。メマトイの寄ってくる傾向について、同じようなことを感じていました。というのも、人間の汗のにおいにひかれてくるのかと思っていたのですが、それがきっかけだとしても、どうやら息を吐くごとに寄ってくる数がどんどん増えるようなので、峠の上りなどで体温があがったときに吐く温度の高い息に反応しているのではないかとうすうす感じていたのです。しかし、「二酸化炭素」が誘因だとまでは想像できませんでした(蚊が二酸化炭素に引き寄せられることも存じませんでした)。二酸化炭素を吸収するのは植物で、動物は酸素を吸って生きているのだと思っているのですが、それは虫も変わりないのでしょうか。
それで、虫を振り切るには、あごをひいて下を向けば息が流れる後ろのほうに行くとのこと、前方不注意にならないようにしながら、今度やってみようと思います。それにしても、倉子峠の周辺のメマトイは多すぎだと思いました、小虫が生息するのに適した環境があるのかなあ。日影でいつもちょっとじめじめした感じがそれらにとって棲みやすいのかもしれませんね。
Commented by ぶとぼそ at 2023-10-04 09:04
こんにちは。
入山峠が通れるようになったおかげで甲武トンネル周回ルートが取りやすくなりましたね。
この土日は海岸線近くは概ね曇り時々晴れでしたが、山域は雨が降ったようですね。こんな天気の時こそガード付き自転車が安心して走らせられますよね。
ようやく気温も下がってきて夏場よりも雨具装着の湿気充満も回避できますし。

結局ロードも細いタイヤだと公道走行に不向きだと気がついたんでしょう。私らクロモリロードな時代はレース機材だったので21や23cが当たり前でしたが、公道走行なら26c以上は欲しいですよね。そりは乗り心地だけでなくグレーチングなどの悪路路面対策でもありますから。まぁ今でも私はロードでツーリングするのは不向きだと思ってますけどね。
Commented by paparouh at 2023-10-04 18:35
> ぶとぼそさん
こんばんは。盆掘線に久しぶりに行きました。とくに、あきる野市側の渓流沿いの道は、趣があってよいですね。そして、秋のサイクリングには、秋晴れ、日本晴が望ましいに違いないのですが、くもり空でも、直前に降った雨に濡れた道路や山もまた、なんといってよいのかわかりませんが、よい印象を持ちました。
雨嫌いとずっといってきましたが、ポンチョといい、本所の泥除けもそうですが、雨降りの多い気候にあわせてコーディネイトされたランドナーはうまくできていますね。セパレートの雨具だと着たり脱いだりするのがさらに面倒でしょうし、泥除けがないと背中にも後ろのひとにも水がかかるからたいへんなことでしょう(自分は単独ばかりなので気にしませんが)。
この前の試乗で、28Cのタイヤの自転車に乗ってみたけど、ふだん乗っている35Aと比べると、乗り心地という点では劣りますね。しかしころがり抵抗が少ない分、スピードを求めるのであれば細いタイヤが望ましいのは間違いないことだと思います。わたしはのんびり、長く乗っていたいので、できるだけ幅広のタイヤで、あとなるべく前傾にならないような自転車があっているようです。そうすると、いまのランドナーがよいということになりますが、もう半世紀前の考えに基づく自転車なので、確かにアップデートされたツーリング自転車というものがあるはずだと思います。気長になりますがそういう自転車を探してみたいと思っているところです。
Commented by ものぐさ at 2023-10-05 01:37
夜分に失礼します。
ブレーキの事ですが、もう解決していたらすみません。 お使いのシマノBRCT91は、ぱぱろうさんの走りには役不足と思います。特に雨天時は上のクラスのM65Tの方が効くでしょう。但し、強烈に黒い汁が出ます。 ここからは私個人の使用経験談ですが、雨天時は未経験ですので。シマノM 65Tシュー、ダイアコンペOPC-12シューは堅くてリム攻撃性があります。シューで削れたリムのアルミ金属片が刺さり、更にリムが削れる悪循環がありました。グランボアで勧められたのはCOOLstopイーグルサーモン(雨天用)でした。リム攻撃性はありません。かなり大きいシューなので取り付けが厄介でした。イーグルサーモンは普段使いの街乗りに使っています。ランドナーのカンチには見た目も重要なので金属舟の吉貝ニューグランコンペ450センタープル用を付けましたが当たりがなかなか着かず急坂で全然止まらないので舟は残して別のシューに交換しました。フロントはCOOLstopデュラ2サーモン(雨天用)、リヤはASHIMA -ARS45R-P-PG(サーモン)です。凄くよく止まりますが、フロントのCOOLstopデュラ2サーモンはゴムが軟らかくて、消しゴムの様に屑を出して早く減ります。ASHIMA は全く減りませんがそこそこ止まります。他のブログでオススメして頂いたのはBBBのシューです。此は未だ使っていませんが、単一ゴムから異種ゴムの複合タイプまで用途に合わせて選べるようです。ブレーキシューは止まるだけのストッピングパワーだけでなく、ブレーキレバーの引き加減でスピードコントロールも出来てしっかり止まれる上質な物を使って下さい。自転車部品の中では安いパーツですので。(サーモンは雨天用ですが晴天時用としても普通に使えます。黒よりかは多少軟らかい分減りは早めですが、雨天時に黒い汁が出ないのは良い事です。ランドナーには黒よりサーモン色の方が合うと思います)以上長々とすみませんでした。
Commented by paparouh at 2023-10-05 22:44
> ものぐささん
こんばんは。ランドナーは、雨の多い日本の気候にあったよい車種であることを実感しています。カンチを採用するのは、見た目で合っていることと、輪行のしやすさを考えてのことだとお思います。ですので、かわりにVブレーキの装着をすすめてくださったことがあるのですが、確実にブレーキの効きはよくなっても、ランドナーのもつ雰囲気(?)とちょっとミスマッチすぎると個人的に感じて採用するに至っていません。これも単に見慣れないだけかもしれませんが。
それでおっしゃるようにシューがサーモン色の吉貝のカンチが候補にあがるのですが、レベルはいまのBRCT91とそれほどかわらないようなことをどこかで読んだ気がするのと、そもそも入手難なので実現していません。そういえば8さんが千鳥のサイズの見直しなどをサジェッションしてくださったこともありましたが、面倒くさがりなので、現状でよいかと、ブレーキシューだけはまめに交換するようにしていまに至っているところです。
コメントしてくださった製品のうち、おっしゃるように雨天用というイーグルサーモンのシューにつけかえるという方法がよいと思ったのですが、アマゾンのレビューを見るとビデオ付きで辛口の評価をする方がいてどうしたものかと思ってしまいました。いまつけているカンチは、ある方によると効きが悪すぎとのことですが、自分としてはドライであれば何ら不満はありません。でも土砂降りのなかで日光のいろは坂を下ったときはかなりびびりました。見た目とあわせてウェットななかでの改善につながるよう、いただいたコメントを参考におりおりよい製品を探してみたいと思います。たいへん参考になるコメントをくださいましてありがとうございました。
Commented by ものぐさ at 2023-10-11 20:46
こんばんは。 度々失礼します。ネットで目にとまったロードがありましたのでお知らせしておきます。ラーレー.カールトンDC カテゴリーはグラベルロードなんですが、ポジション的にも、ダボの多いフレームからしても、40Cオフロードタイヤが装着されている意外は、どお見てもツーリング向けでしょう。此れは、ぱぱろうさん好みでは😃💡と思いました。 此をワンサイズ細い軽量オンロードタイヤに変更、泥よけ、キャリア装着すればと! 但しエントリーモデルなので重量が今のランドナーと変わらないし、其れなら今のランドナーでいいじゃないかってなって仕舞いますねぇ。ごめんなさい。
Commented by paparouh at 2023-10-11 23:49
> ものぐささん
こんばんは。ご紹介ありがとうございました。こちらの自転車を拝見しまして、形がわたしの好みでとてもよいと思ったのですが、おっしゃるように重量が泥除けなしで12キロとありますから、軽量タイヤに変えたとしても、泥除けをつけるといまのわたしのランドナー(実は重さをはかったことがありません)と左程変わらないような気がします。またエントリーモデルなようで、たいしたことはないのですが、自分のように長く乗っていると、相応な個性を出してみたいなとよくが出てしまいます。それでインターネットで見てみると、パナソニックのPOSでエンデュランス系のクロモリロードが出ていてたいへんかっこよいのですが、タイヤが30Cなんですよね。もうちょっとだけ幅広なのが入るといいなあと思ったのと、お値段もよくみるとフレーム代だけなので、部品代や工賃をいれるとそれ相応の投資になりますね。でももうこうして乗れる期間もそう長くはないでしょうから、人生最後の選択としてちょっと値がはってもよりよいものをと思っております。
ということで、この3連休のところで、京都駅で降りたついでにグランボアに行ってみようかと思ったのですが、駅から遠いんですよね。なので、予約もしなかったし、用事を優先して行かずにこちらへ戻ってきてしまいました。京都といえば、ヤマネだとかガンウェルとか、あと向日町のほうに部品が豊富な倉庫のような店があって、見にいったり買いにいった記憶があります。とくにヤマネはアルプスとかツーリング系の自転車やオリジナル部品が豊富だったと思うのですが、いまは普通のスポーツサイクルの店になっているのかな。
by paparouh | 2023-10-02 23:08 | 東京地方 | Comments(8)

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by ぱぱろう
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