房総縦断横断林道
2016年 03月 21日
1.コース
姉ヶ崎-丹原林道-音信山林道-万田野林道-大福山林道-天津林道-天津-鴨川-嶺岡林道-安房勝山-金谷港 108.4キロ
(ルート)https://ridewithgps.com/routes/30485325
2.実施日:2016年3月20日(日)曇りときどき晴れ
3.同行者:T地さん
4.企画:FCYCLE
http://mixi.jp/view_event.pl?comm_id=6145474&id=79380707&conversion_from=login
5.日記
内房へは、九段下で東西線に乗り換えるのが安くつくことがわかった。正面に座ったおじさんが頻りに鼻の穴をほじくるが、構わず車内弁当を食う。西船橋で総武線に乗り換えるところで、T地さんに会うが、厠に用があると言って、構内自由通路の真ん中に4サイド輪行袋を置いて行かれたので、隅で番をしていると、通行人めいめいが「これ、何?」という目線をくれながら通り過ぎていった。総武線は早朝の割には混雑していたが次の駅で座れた。そこから先、朝の睡眠を取りたくて、目的の駅まで別々の車内で過ごした(危く、姉ヶ崎駅を乗り過ごしそうになった)。駅の交番の前で組み立て始める。着く前にひと雨あった模様で、路面が少し濡れている。早く組み立てたT地さんは、コーヒーを飲み、朝食のラーメンを食べている。自分も行動食を求めて、駅前コンビニエンスに入ったが、100円セールの所為かほぼ完売、仕方なく残っていたふたつのみ買うた。
8時30分スタート。車の多い幹線を進まずに南の方に進んだが、T地さんは細道をつなぐのがとても上手だ。自転車のスピードも速く、しばしばだいぶ距離を離された。途中、パパママストアを見つけて入ったが生憎おにぎりは売っていなかった。民家の生垣の間や田んぼのなかを進むと、こぶしの花が、路傍には菜の花が咲いている。小鳥の鳴き声も盛んになっている。蛙も声も今年初めて聞いた(T地さんは、2月にもこのあたり来たが、そのときすでに蛙の声が聞こえてびっくりしたと話された)。今日は空気はひんやり冷たいが、そんな気配に、春を感じた。峠ばかり進む人も多いが「民家の佇まいを見ながらのんびりするのもいいですね」というと、里山の佇まいを見て、日本に生まれてよかったと思います、と答えられた。途中自販機があったので少し休憩、T地さんはコーヒーを、私はヨーグルトドリンクを買って飲んだ。さて、教えていただいたとおり2匹ヤギが飼われている横を通り過ぎ、やがて杉林の中の尾根林道に入った。今日は、曇空で、花粉の飛散もそれほどでもないようだ。ところどころ咲いている山桜の花が可憐だ。道は軽くアップダウンしながらゴルフ場や太陽光パネル団地の横を過ぎ、再び集落(万田野)の下りたので再び自販機休憩、T地さんはコーヒーとパンを、私は数少ない行動食おにぎりひとつ食べて空腹を紛らわした。





万田野林道を進むうち、道は徐々に高くなり、木々の間から見る山々は低山ではあるが深さを感じる。小湊鉄道の汽笛が遠くの方から聞こえた。ふたりして会話しながら進むうち、伊豆や秩父のグルメ(新鮮かつ豪勢な刺身、ホルモン焼)に話題が及んだが、おいしそうな食事の話しを聞くうちだんだん空腹感が募ってくる。大福山を過ぎたあたりから地道になった。雨でぬかるんだいやなダートの水たまりを除けながら進んだが、ふたりとも泥除けつきなので苦もなく通過することができる。下って、少しだけ国道に合流、そこからバイパスを通らず村の中の生活道路に入ったところで、T地さんのタイヤが故障したが、手早く修理された(後輪のタイヤが、衝撃もないのに突然外れ、なかのチューブを噛みこんでやがて破裂音とともにバーストした。思いあたる原因があるとのことだが、それらしい形跡は見当たらないようであった)。そこからすぐのところに、デイリーストアがあるとの見込みも外れ、自販機しかなく、仕方なく手持ち2個目のおにぎりを食べる。T地さんはコーヒーを買われたが、ここでは銘柄選びに失敗したようだ。
筒森バイパスに入らず、右折して天津林道のヒルクライムにつく。腹ペコで力が入らなくなる前に上がってしまいたく思い、ここでは先行させていただいた。2度ほどカーブを曲がると、すぐに尾根上の道についたので、そこから南に向けてしばらくアップダウンを繰り返した。この林道はかつて4年か5年ほど前、麻綿原の側から下ってきたことがあるがこちらから辿るのは初めて、木々の間からときどき開ける眺望を見ても遠くに向けて深い森が連なるばかり、西房総最深部の山深さの趣が感じられる。T地さんも、南アルプスの山深さもかく哉と話されたがまさしくそんな印象だ。さて、ふたり合流してから、天津に向けて長く下った。最後、太平洋が垣間見えたところで「房総半島縦断終了」と快哉の声をあげた。そこからしばらく、国道はほぼ通らず、漁港の前や、民家の間の細道を辿ったが、これまでの山道と対照的な海の景色にどこかほっとする風情、海ってやっぱりいいなーと思いながら自転車を漕いだ。途中のコンビニエンスで休憩、ようやく、ヌードルと揚げた鶏肉とカレーパンで空腹を満たすことができた。T地さんも、湯で戻したカップラーメンを食べている。尾籠・切実な話しも交えつつやがて再開、鴨川の嶺岡林道の取り付きまで移動した。鴨川松島の海はまだ冬の鈍色だ。













さて、嶺岡浅間まで、坂は天津林道ほどきつくないものの一本調子で上がるのがここの特徴だ。緩やかになるところもあるが、上を向くとずっと坂が続いているので、気を滅入らせないでコツコツ上がることが長続きのコツだ。ここでもペース配分の違いで別れわかれになった。上がったところにあるおなじみのパラグライダー発着場は、T地さんが2009年頃に来られたときはなかったそうだ。なので、そこから見える広い長狭の風景をふたりして堪能してから、一度下り、再び自衛隊駐屯地につながる林道1号線上がりを開始した。T地さんはそれほどきつくないと記憶されているとのことだが、坂の急さに辟易して敗退した覚えもあり、「いや、きついんではないですかー」といって上がり始めた。ここは距離は短いがしばらく10%くらいの斜面が続いて終盤の足に堪える。T地さんは冷えるのに上着を脱ぎ半袖姿になって暑気を凌ぎながら「気持ちいいー」といいながらヒルクライムされた。さて、嶺岡林道の難関のふたつの号線をこなしたので、気が楽になり、後半のふたつの林道はわりと楽な感じでこなすことができた。ここでは、上がりだけでなくダウンヒルも楽しみたくて、地面のクラックにタイヤを取られないよう気を使いながら直滑降のイメージでスピード感を楽しんだ。最後の3号線もこちら側からだと上がりはすぐに終わり、やがて山ののなかの尾根上のアップダウンを繰り返すようになる。そんななか近くの山上の民家の傍らに黄色の菜の花が咲いていたり、山桜や、花びらが落ちているので咲いているのがわかる椿、遠くには南の伊予ケ岳、北面の木々の間からちらちら見える長狭街道やその先に続く房総の山並みの景色を楽しみながら、自転車を進めた。予想より早い進行に、T地さんも地図を確認して「もう勝山がすぐですね」といわれた。最後の上がりも難なくこなして、ふたりで勝山まで自転車で下ったが、下った先からも決して幹線を通らず、勝山まで、細道や車の通ることのできない小さな踏切を通るところがT地さん選定のコースらしい。勝山の学校の手前では、菜の花を背景にご夫婦がふたりウォーキングされていた。





そういう訳で、楽しい春のサイクリングを堪能した一日を過ごすことができたのであった。コースも走りごたえがあって、一日の旅程を終えた後の適度な疲労感が体に心地良い。いつも素敵なコースを企画してくださるT地さん、今日もありがとうございました!

房総半島も実に奥が深いです。高い山を望むような場所はなくとも、これだけ里山集落を絡められると楽しいでしょうね♪
裏道をつなぐことができるのは、GPSのお蔭ですが、同行した幹事さんは都度国土地理院の地図で位置を確認されていました。天津林道のあたりの森林は演習林で保護されて、山の深さが印象的でした。そこを下って、港に出てみて、景観の変化に千葉って広いなと思いました。

房総は、行かれるのであれば、陸地であれば冬、海辺であれば真夏、いずれかがいいのではないでしょうか。といいつつ、近い割に旅情が感じられる房総が好きで、しょっちゅう訪れているような気がします。このあたり飛行機から見るとゴルフ場ばっかりですが、走ってみると首都圏っぽくない雰囲気が気に入って、毎年訪れているようです。