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頚城の秋16 1日目

1.コース

六日町-清水峠-十日町-真田-海老-松之山-大厳寺-三方峠-菖蒲-須川 79キロ

(ルートラボ)https://ridewithgps.com/routes/30473670

2.実施日:2016年10月29日(土)雨

3.実施者:単独

4.企画:FCYCLE

http://mixi.jp/view_event.pl?comm_id=6145474&id=80710581&comment_count=16

5.日記

 新幹線を降りて越後湯沢駅に停まっていたほくほく線に座っていると、赤い輪行袋を抱えたTさんが前を通ったので会釈した。清水トンネルを潜る前は、晴れていて期待したが、新潟に出ると予報どおりどんより曇って小雨模様。お天気の変化もそうだが、車窓から見える民家の、軒が高く屋根が鋭角な佇まいに雪国らしさを感じる。計画どおり六日町駅で下車、構内の屋根のついた跨線橋のスペースで組立てる。雨で出かけるのをしばらく躊躇したが、水たまりに落ちた波紋が小さくなっているのを見て外に出た。霧雨で雨具は不要と思ってしばらく進んだが、濡れてきたので軒先を借りて雨具(ポンチョ)を着用。買い出しを予定していたコンビニの場所を、人通りの少ないなか見つけた通行人の方に聞いて移動、準備を整えてから出発した(9時20分)。熊出没注意の看板を何度か見ながら、工事中の高速道路の下を潜って山道に入り、1~1.5車線の細道の峠道につく。小雨のなか急な坂道を一気に上がると、それまでよりもいくぶん緩くなる。ところどころ木々が途絶えて展望が開けた場所を通るが、雨に煙ってどれくらい上がったのか見当がつかない。ポンチョを濡らしながら峠らしいところを通過、十日町に向けて一気に下っていきたいところ、水にぬれて制動の効かないカンチではスピードを出すことができず、ブレーキレバーを握り放しでのろのろ下った。やがて下の集落に出て、今日はじめて出会う魚沼の味わいのある農村風景の写真を撮りたいと思ったが、雨で思うがままという訳にはいかない。さらに下っていくと、美佐島駅の駅舎が見えたので、軒下に自転車を停めた。地下を通っている鉄道の入口のところに設けられている待合室の手水場は清潔、畳敷きの寛げる部屋もあり、雨に湿った体に室内の温さがありがたい。おにぎりひとつ食べ、もうここで断念して再び輪行することも頭によぎったが、午後の天候回復に期待してひと心地つけると意を決して外に出た。

 降り続くなか、十日町の商店街を通り、飯山線沿いを進む。途中のコンビニでいつものようにカレーヌードルと揚げた鶏を食べて体を温めた。往来の激しい国道をしばらく進んでから右折、信濃川を渡り対岸を少し戻ってからふたたび山の中の細道に入る。このあたりで少し雨脚も弱くなったので、天気予報のが当たることを期待したが、山間部の通行、結局、終日濡れ続けたのであった。坂を上がっていくと、感じの好い集落が現れる。明かりのついている廃校らしい建物は、なにかの工房として利用されているらしく、ぬかるんだ校庭に車が数台停められている。集落のなかをさらに上がり、真田トンネルを潜ってアップダウンとカーブを繰り返すうち、427号線に合流。公道だが、深い谷に面した崖沿いの道、ガードレールはないので、スリップして下に転落しないようゆっくり進んだが、そんな道がずっと先までつけられている都会離れした風景はなかなかの迫力だ。桜と杉の木が植えている展望のよい場所の木の椅子に腰かけて休みたいと思ったが、雨振りがひどくてパス(ここは、翌日、念願かなって、再訪することができた)、やがて林道の木々の隙間から、雨に煙る東山の集落が見えるようになった。村のなかのうねうねした細い生活道路を辿るうち道はあらぬ方向にどんどん下っていって方向感覚を失うが、降りきったところにある少し開けた田んぼ地帯には、確かに来た覚えがある。

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 泥で濁った水の溜まった田んぼと畑と村落のなかをふたたび上がって、遅いトラクターを抜いた。いったん国道に合流してから再び下り、松之山に向かう分岐のところに雨宿りできる公衆便所兼ごみの集積所があったので、なかに自転車を停めて休憩、おにぎりを食べた。松之山温泉までは幅広でやや大味な道路を上がる。町中へ下り、ふたたび三方峠の上がりにつく。坂は左程きつくないので、葛折りの坂道をゆったり上がっていくことができる。峠の手間の分岐まで行くと大厳寺高原までほぼ水平移動、紅葉の盛りだが生憎のお天気で閑散とした駐車場には1台だけ、車のなかからおじさんとおばさんがふたりしてじっとこちらを見ている。さらにGPSのいうとおり進むと地道になりやがて草が茂って廃道っぽくなった。戻ってキャンプ場の事務所に深坂峠までの道行きを尋ねると「崖崩れがあって通行止め、自動車だと菖蒲高原まわりで行けますが・・・」といわれたので、深坂峠・野々海峠行は断念した(キャンプ場から向こうに車道が通じていることが、翌日わかった)。

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 三方峠に戻り、国境を越えて上越(東頸城)の方に下る。だが、ブレーキのシューが減ってレバーを目いっぱいひかないと制動が効かず、せっかくのダウンヒルなのに上がるのと変わらないくらいしかスピードを出せない。下った先、夕暮れが迫るなかぽつぽつある山奥の民家に点々と灯りが灯されている風景に趣を感じる。そこから一度アップダウンして、分岐で国道の方には進まず、菖蒲高原への坂道を3キロほど最後の上がりに取り掛かった。時計を見るともう集合時間の16時過ぎてしまっているので、みなさんを心配させては悪いからスマホを出して連絡しようかと思ったが、雨のなか老眼で難渋するのも面倒だと思いそのままえっちらおっちら上がり続けた。やっとスキー場への看板がある分岐に至り、急いで横に移動してから下りはじめたが、雨の急坂でブレーキがまったく効かず、心は焦るもののゆっくりゆっくり下りていった。
 やがて雪だるま温泉の集落が見え、集合時間より1時間遅れ17時前に今日の宿舎に到着、応対してくれたご主人にきっと心配しているだろうから部屋のみなさんにいま着いたことを伝えてほしいとことづけして、ガレージに収納、チェーンに油を刺す。濡れた雨具や衣服を乾燥室に干して部屋に挨拶に行くとみなさんここの名物のどぶろく(あとで飲酒すると、飲み口は甘酒のようであるが調子にのって進みすぎると酔いがまわるので要注意だ)でいっぱいやっている最中であった。この時間になってもまだ降り続いているので、宿の方に温泉施設まで車で送っていただき、冷えた体を急いで温めた。戻るともう夕餉の支度が整えられている。まっさきに特注品の紅ずわいかにをみんな無言でいただく。器具やハサミを使わずに肉を出すのがこの宿の流儀とのことで不器用な分出遅れたが、奥さんが気を遣って途中で用意してくださったので、無駄なくおいしくいただくことができた。「もぐら汁」という郷土料理も堪能してから部屋に戻って、Sさんが持ってきてくださった「ランドナーの本」を読んだり、Dさんのおいしいウイスキーをいただいたりしながらしばらくみんなで歓談したりしたのであった。それでも就寝は夜10時前であっただろうか、疲れもあって翌朝早朝までぐっすり眠ることができた。


Commented by ぶとぼそ at 2016-11-07 20:22 x
雨の中、大変でしたね。こんな走りの時は泥よけの必然性を感じます。
国境トンネルを越えたら天気が急変……私も何度か経験ありますよ。その谷川岳は先日新雪被った姿を拝んで来たばかりです。
十日町には親戚がたくさん居ますので、写真に出てくる家屋の風景が懐かしさを誘いました。
Commented by paparouh at 2016-11-08 21:05
> ぶとぼそさん
貧乏性で、せっかく高い汽車賃を払ったので自転車を漕がないともったいないと思って雨サイクリングしました。泥除けのお蔭で、ポンチョでも下半身はそれほど濡れないで済みました。
いま日記を読み返すと、太平洋側とは違う家の佇まいや道の感じを見て、遠くに行ったなぁという感じがしました。
by paparouh | 2016-11-01 21:38 | 新潟県上越 | Comments(2)

サイクリングのことを記録していきます。


by ぱぱろう
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